science259(鏡怪side) ページ38
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破「一応、躊躇いは無いのかって聞くけど」
「躊躇いと言われても…
私殆ど父親に育てられたものなので
今更母親に愛されたいとは思わないんですよね」
彼に問われ記憶を辿る様に思い出してみるが、母親と過ごした時間はほんの二年だ
後の十年は全て父親だけだったし
一、二歳の頃なんてさして記憶にない
そんな母親に愛されたいとかどう思えばそうなる?
自分には父親だけで十分だ
イルミナティには喜怒哀楽を始めとする暗殺者は来るし
鏡怪にとっては皆家族同然なのだから寂しくない
だからこそ、
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「私は血を分けた人でも"殺れますよ"
身内の問題は身内でケリを着けるのが
「躊躇い」の「た」の字だって自分には存在しない
血と憎悪と金の世界を見ているからこそすぐ判断を出せるのだ
破「ふぅん…まぁ、それなら良いんだけど」
「そう言えば貴方は何故母親を倒したいんですか?」
自分達は利害が一致すると言った
自身の計画に参加して貰うともこの少年は言った
ならばそれなりの理由があるだろうし
戦う意味だってあるのだろう、そんな気がする
逆に問い掛けてみると破魔は微かに目を見開き
胡座の体制をやめ、一つ間を空けるとこう告げた
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破「…1つは、一族の汚点を晴らす事
もう1つは___十魔遥姫を倒せばボクの大切な家族を守れるから」
ツゥと細められた瞳は憂いを帯びていた
一族の汚点を晴らす為、家族を守る為に破魔は
十魔遥姫を倒すのだと言う
端から見れば小学生の子供が
人類悪に立ち向かう無謀にも程がある話だろう
…だがしかし、自分達は無謀な事が出来る力があって
命を賭けるだけの理由があって
それだけの守るものがある
ならば断る理由も何もあるまい
鏡怪は椅子から立ち上がると二人を見据え、張った声で言う
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「それじゃ、今から私達は仲間ですね!
ブッ飛ばしちゃいましょう!十魔遥姫を
お互いの目的の為にも!」
破「!…ちょっと、いくら一族最後の魔女とは言えリーダー気取りはナシなんだけど」
熾「一時的だが術師チームの完成だな」
討つべき敵は「罪咎の魔女」と呼ばれ
喜怒哀楽の両親を死へと追いやり更には
十魔の血を持つ彼を贄にしようとする魔女、十魔遥姫
絶対的人類悪に対抗する為…今この時三人の術師が立ち上がる!
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桃 - 面白いです!!頑張ってください!! (2018年7月19日 21時) (レス) id: a20db0fe37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年3月31日 17時