ANIMA【仮面ライダービルド】＿six＿

science257(鏡怪side) ページ36

＿＿時は遡りローグの件より深夜






……言わずもがな、鏡怪の母である遥姫は10年前に死んでいる



火星帰還セレモニーが行われている付近に居た母は
不幸にもスカイウォールの惨劇に捲き込まれた

壁の出現により下敷きになったのか否や
遺体は発見出来ず近辺には血の付いた結婚指輪のみが転がっていたと言う








だからこそ疑問に思った


目の前の二人が何故"今でも遥姫が生きている様な口振りで"話しているのか



間違いなく死人だ

例え遺体が無くとも血の付いた結婚指輪が
十二分に証明しているのだから間違いない







…そうである筈なのに






.






破｢…十魔の家に張ってある結界
　十魔の血の呪いはこの血が続くまで未来永劫あり続けるものだけれど…

　他の魔術はそうじゃない
　"術者が死ねば効力は失うのが基本"だけど？｣




熾｢死者を復活させる術師はそれなりの力を有さねばならない…出来る奴は一握りだ

　十魔遥姫にはそれが出来る
　兄さんに呪いをかけたのが罪咎の魔女なのだとしたら＿＿それが本当に死んだとするなら何故兄さんは"今"も呪いに苛まれ無ければならないんだ？｣



｢っ……｣








…破魔も熾織も"生存の証拠"を並べるばかりだった



あまりにもその証拠は決定的過ぎる
神秘(オカルト)がある事を前提にしてしまえば何よりも



彼の呪いは術者が死ねば消えるもの

術者が落命すれば喜怒哀楽が今も
死の危険に脅かされる事はないのだ




.





そこから導かれる答えはあまりにも単純明快過ぎて＿＿＿





.






｢母が…お母さんが"今も生きてる"って言いたいんですか……!?｣


破｢生きてる｣


｢!?｣






端的に言った破魔は体勢がきつくなったのか
靴を投げ出して胡座を掻き、頬杖を着く

ポケットからゴソゴソ探り当て
USBメモリを自分に見せる様に軽く降ると気に食わなさそうな顔で告げた







破｢此所にはボク以外にも北都の奴が居る、
　そいつが丁度敵の情報を手に入れてくれてたお陰で
　十魔遥姫生存説は確説になったからだけど…｣





摘まんでいたメモリを片手で掴む様に
グッと握り締めると…破魔は信じられない事を吐いた






.







破｢データを調べた結果＿＿＿"十魔遥姫はファウストのボス"だった

　ううん、"真のボス"と形容するのが正しいけど｣


.

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