science239 ページ18
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ビルとビルの間、路地の一角
ゴミが袋でまとめられているのを見て人が住んでいるんだとすぐに解る
先に進んで行くと見慣れた後ろ姿が視界に入り
喜怒哀楽は気配を遮断し足音を立てずに近付いた
一「ブェクッシュッ!!ハー…みーたん俺が居なくなって寂しがってんな」
「あのみそらちが?それはない」
一「ッッ!?何だお前か…驚かせんなよビックリするじゃねぇか」
「やぁ液体潤滑油君
一家族救う前に凄いボロボロだけど救援要る?紫苑も居るから百人力だよ?」
一「一般人は要らねぇ」
明さまに嫌そうな顔をされ喜怒哀楽は苛立ちを得た
ボロボロの体してそんな事を言っても痩せ我慢の何物でも無い
歳上の矜持なのか知らないがそこまで言われて
黙っていられる程良い子じゃない喜怒哀楽は__
__ビュッ!!!
一「!?」
刀の柄を握ると一気に抜刀し物凄い速さで
一海の首スレスレまで刃を当てた
白銀のそれがキラリと煌めき、いつでも斬れると言う事を証明している
一方、後一歩でも踏み込まれれば命がない
一海は刃を眼前に瞠目し本能的に焦燥の色へと変わった
それを確認した喜怒哀楽は自分の腕が鈍ってない事を確認し、ニヤリと笑う
「遅い、いつものあんたなら避けてる」
一「てめ…!」
「…「自分の事を棚に上げて恥ずかしいと思わねぇのか?そんな事、"お前が言う資格は無い"」
"阿呆な奴…暗殺者目の前にしてよく吐いたもんだなお前
口減らしに殺されるとは考えなかったか?"」
一(雰囲気が変わりやがった…!?)
紫「喜怒哀楽兄…素…」
身内以外には一切見せない素を
露にした喜怒哀楽は軽く殺気を放つ
各々が別の意味で驚く中ですぐに冷静さを取り戻したのは一海だ
一「それがお前の素って事か、でっかい猫被りやがって」
「んな事より…お前は何処まで知ってる?何処まで惣一さんから聞いた?」
一「お前が暗殺者で、昔起きた父母殺人事件の遺族だっつーとこまでは」
遺族、と言っているのなら
あれをただの事件だと思っているのなら
彼は自分が父親を殺した事までは知らない
「両親を殺された天涯孤独の人間」…一海の中ではそれで定着している事だろう
勿論結構だ、あまり知っても気持ちの良い話では無い
(つーかあの人ベラベラ喋ってんじゃねぇよ
私情で殺そうかと一瞬迷ったじゃねぇかよ)
この場に居ない人間に対して怒りの感情が湧き、ため息を着いた
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桃 - 面白いです!!頑張ってください!! (2018年7月19日 21時) (レス) id: a20db0fe37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年3月31日 17時