ANIMA【仮面ライダービルド】＿six＿ (ページ12)

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science233 ページ12

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沙｢けど…難波は東都政府に私を捕まえようとした
　私の事切るつもりだったんだと思う

　本当は、捕まる前にその場で命を断つ事も出来た
　難波チルドレンならそうすべきだった…｣

｢…!!｣

＿＿"全ては難波重工の為に"!!＿＿

その時喜怒哀楽は増沢の最期を思い出した

あの男も難波チルドレンだった
自分と紫苑に追いつめられ迷わず自身の命を絶ったそれはそう言う事だったのだろう

｢難波チルドレンなら難波重工の為に死ぬのが当たり前｣＿＿嗚呼、いつの時代の思考だ

昔の戦争にあったファシズムだとか
軍国主義の時代の思考だそんなの

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戦｢でもそうしなかったのは…｣

沙｢皆と一緒に居る内に気づいちゃったんだ…
　家族の温もりって言うか…私がずっと
　欲しかったものを皆がくれて、だから"生きたい"って思った…！ごめん…｣

今にでも泣き崩れてしまいそうな声は震えていた
言葉を紡ぐのもやっとなのが言わずとも伝わる

口から溢れた謝辞に嘘偽りは無く
本心のままに言っているんだなと嫌でも解った

(…そこまで言われると殺す気も失せるっつーの)

自然に手を入れていた白衣の内から手を出し
喜怒哀楽が内心で息を着いた時、戦兎が微笑した

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戦｢沙羽さんの思いが聞けて良かった｣

沙｢父親の話が嘘だって前から知ってたんでしょ…?どうして黙ってたの?｣

いつだって言えた筈なのにと言わんばかりに沙羽は戦兎に問い掛ける

確かにいつだって真実を言えた筈だ
でも彼はそうしなかった

何故そうしなかったか…答えは簡単だ
だからこそ彼は笑って答えてみせるのだ

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戦｢俺も沙羽さんを"大切な仲間"だと思ってるから｣

沙｢…！｣

戦｢仲間の事信じるのは当たり前の事でしょ｣

…それは何とも桐生戦兎らしい答えだった
お人好し過ぎるとも思えるが仕方がない

彼は誰よりも優しくて…真っ直ぐで…
お人好しの中のお人好しなのだから

沙｢狡いなぁ…そんな言葉、こんな所で言わないで…｣

力無く呟いたその一言

涙を目いっぱいに溜めて彼女はようやっと
難波の駒から一人の人間として生きる事が出来る

死を恐れる事は悪い事じゃない

生きたいと願うのは誰だってそうだ

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｢(紫苑、)｣

紫｢(うん？)｣

｢(今から家に行って…俺の刀、取ってきてくれるか？)｣

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