science179 ページ6
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龍「行ける…自分の意思で動かせる…」
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負荷と言う名の呪縛から解放され
龍我は確信を得た様に呟いた
否、一皮剥けたとそう言うべきかもしれない
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(彼奴…使いこなしやがった…!)
形勢が逆転し、一気に戦兎に
打撃を加えていくその光景を見て喜怒哀楽は思ってしまう
あの馬鹿は軌跡すら呼び寄せるのだろうか
それとも、思いの強さが負荷よりも
上に行ったのかもしれない
彼にとっての自己の問題は解決した
ならば、後はどうしようもないお人好しな
ヒーローを助けてしまえば良いだけだ
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龍「目ぇ覚ませ!戦兎ー!!!」
戦「!!!?」
__ゴォォッ!
龍我から放たれる紅蓮の炎の必殺技が戦兎を襲う
攻撃を予測できなかった彼は
まともに食らってしまった
そして龍我の方も限界であったのか
互いに変身が解かれ、その場に倒れ込んだ
解かれる時に生じた光が闇夜に散り、消える
それが星の様に綺麗だ
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「…はぁーーーーー………よ、良かったあぁぁ…」
長い長いため息を吐き出して
思わず脱力して座り込んでしまった
戦兎は暴走したものの、死ななかった
もう勝ったとかどうでも良いくらいそれが嬉しい。安心した
隣で美空が泣くのを横目に喜怒哀楽は倒れる二人を見る
戦兎は目が覚めたようだ
全く…驚く程ボロボロになって本当に仕方がない奴だと思う
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「せ____………。」
せっちゃん、と呼ぼうとしたが
それはちゃんと言い切らずに終わる
何だか、今言うのは違う様な気がしたのだ
二人が寝転んでいる中で戦兎を呼んで良いものか
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(…俺、何も出来なかったな)
守ると、そう言ったのに結局は…
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そのせいだろうか
不幸にも龍我の「皆のおかげだ」と言う言葉は
喜怒哀楽の耳には入らなかった
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作者名:黒神白堊 | 作成日時:2018年2月17日 8時