science223(ｻｰﾄｩﾙﾇｽside) ページ49
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泰｢はぁ…｣
｢そんな気を詰める事でもあるまい、友よ｣
泰｢貴方は呑気すぎるんだ…｣
友である首相の言い分に｢そうかもしれんな｣と
術師協会会長サートゥルヌスは笑って見せる
何故こんな状況になっているのか
それはパンドラボックスが西都を奪われ
先刻、その西都が代表戦を申し込んできたからである
｢してまぁ…代表戦とはきやつ等も面白い事を考える｣
首相室の高級感溢れる机に寄りかかりながら自分は呟いた
代表戦何ぞただの口実だ
残りのフルボトルが欲しい為の手段に他ならない
泰｢面白い訳無いだろう。これに負けたら東都は…｣
｢はっはっはっ、マイナスな思考はよせ
ヒーローを信じよ泰山。だからこそ彼等を呼ぶのだろう？
それでダメなら術師が何とかしてやるさ｣
泰｢立榎っ｣
面白おかしく笑うサートゥルヌスとは対称的に
焦燥に染まる泰山は皺を尚更深く刻む
それを見て｢そなたは昔から変わらんな｣と一言付け加える
嗚呼、こう言うやり取りは昔から変わらない
勿論神にとっては瞬きの瞬間にも等しい時だ
人の側に居るには神の身では長すぎる
それでも、変わらないとそう思うのだ
泰｢変わらない…か、変わらなさすぎるのは貴方だよ
今も昔も例え姿を変えても貴方は何も変わらない｣
｢許せ、神故な｣
泰｢そう言う所だ｣
｢良かろう？逆に凄いと思え友よ
そなたの古い友も息子も変わった中で
私は何も変わらんのだぞ？褒美の言葉くらい寄越すが良い｣
泰｢凄い凄い｣
｢む…流石にてきとうでは無いか？神に向かって｣
泰｢ここは日本だ、ローマの神を信仰する人間は誰も居ない｣
老い耄れに無理強いするなと言わん張りの口調ではあるが、その表情はいくらか解れていた
先程より柔らかい顔を見てサートゥルヌスは微笑する
ゆっくりと机から離れ、彼とある程度感覚を置くと
そんな泰山を見据え…告げた
.
｢私は神の席に座する者だ、そう簡単に死ねん
不死身だからな。死と言う概念は無いのだ
故に…そなたの守りたいと願ったものを私は守ろう
だからこそ､そなたは此所でどっしりと構えておれば良い
そなたは良き王だ、このサートゥルヌスが友と呼ぶに相応しい王だ｣
戦いを選んだ男に神の祝福を
…守ってみせよう、これから起こる厄災に対し
世界の破滅を望む誰かから
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作者名：黒神白堊 | 作成日時：2018年2月17日 8時
