science195(戦兎side) ページ22
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｢悪いな、子供に付き合わせちまって｣
紫｢こどっ…！ンンッ、ううんアタシ術師だから
ヒーローのサポートは仕事の内仕事の内！｣
子供扱いされたのが嫌だったのか
だが敢えて態度には出さずニッコリと笑って
仕事の内だと言い張る少女術師、土御門紫苑
ミシェルよりも年の若い彼女はただの少女であり
こんな子供ですら戦いに身を投じているかと思うと胸が痛くなる
きっと…青羽と黄羽に花を手向けに
来ているせいで余計に思ってしまう事なのだろう
｢13か…若いなぁ。俺十分オッサンじゃん｣
紫｢それ言ったら喜怒哀楽兄だってオッサンになっちゃう！｣
ガウッと食いかかる様に反論してくるが
それでも自分と喜怒哀楽は26
四捨五入でもされれば紛れもない30な訳で
勿論一海と比べれば後四年の余裕はあるのである
それまでには戦争が終わってるんだろう何て事を思いつつ戦兎は紫苑に問い掛けた
｢そう言えばゆーちゃんは？｣
紫｢喜怒哀楽兄なら朝からミシェルが何かしでかしてまだ家に居ると思う｣
｢ミシェルが？｣
紫｢確認したい事があるんだって｣
その言葉に戦兎は心の中で首を傾げた
喜怒哀楽に確認したい事？
あの何でも知り得ている様にしか見えない
ミシェルが態々確認を取りたい事とは何なんだ？
心当たり等ありはしない＿＿否、あった
.
＿＿…その内お前も見る事になるだろう
いや…お前の場合は"深淵"、か＿＿＿
(深淵…)
あの時、幻徳が告げた｢深淵｣に
一番反応してたのは間違いなくミシェルだった
だがあれは喜怒哀楽に向けられたものでもある
｢なぁ、"深淵"って解るか？｣
深淵、一般的に調べれば深い淵や水が淀んだ所を指す言葉だ
しかしそうであるならばあの天才魔術師は反応する筈がないと戦兎は予想する
故にこう言うものは専門科に聞いた方が早い
問われた紫苑は少しだけ考えてしまう様な素振りを見せつつも答えた
紫｢普通の人からすれば暗くてただ深い場所。でもアタシ達はそうとは思ってない
魔術を行使する者ならばいつかは辿り着きたいと願う。神秘としての深淵は"進化の終着点"。人が行き着く最後の未来の事｣
｢進化の…終着点｣
紫｢そう。でも、その深淵には主が居る
深淵に来る者を阻み貶める奴が。それは＿＿｣
その時、聞き慣れた声が会話を遮った
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??｢青羽と黄羽の供養か、奴等の死を背負う覚悟が出来たって訳か｣
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作者名：黒神白堊 | 作成日時：2018年2月17日 8時
