ANIMA【仮面ライダービルド】＿duo＿

science60(〃side) ページ16

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中国最古の地理書『山海経』には妖怪や神様の話が綴られている。

その中には｢四凶｣と呼ばれる四柱の悪神が居り、その内の一つは邽山と言う山に住み人を食ってしまうと言う。


名を"窮奇(きゅうき)"、針鼠の毛を持つ牛
人語を理解する異形の者、それを神様と呼ぶより霊獣と呼んだ方がしっくり来ると目の前で対峙するそれを熾織は思う。

すると喜怒哀楽が目を見開いて問う





喜｢スマッシュ……!?｣


｢あれをスマッシュと呼ぶか馬鹿め！窮奇だ窮奇！｣



兎に角突進してくる化け物をどうにかしなくては。あれは日本の物じゃない外からの異形の者、さて陰陽道の術が何処まで効くか。


(いや、やってみせる！"あの男"に馬鹿にされてたまるかっ…！)



素早く刀印を組む､そうして九字を空中に描いて場を清める。その行為だけで突進してきた窮奇は動きが鈍くなる。呪文……基真言を唱えつつ次々に印を変えていく。そして……




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｢ノウマク サラバタタギャテイビャク サラバボッケイビャク サラバタタラタ センダマカロシャダ ケンギャキギャキ サラバビギナン ウンタラタ カンマン……!!｣




＿＿ギリリッ!!




窮｢グウゥゥゥッ!?｣






幾度の真言を唱えた後、苦しそうな断末魔を上げで窮奇が止まった。

今熾織が行ったのは不動明王の真言を使った不動金縛りの法。生憎相手は悪なれど神様なので簡単には成仏しないが動きを止めるくらいは効く様だ。


息を整え､熾織は辺りを見渡す。
他に化生の存在は居ないらしい。否、きっと"目の前の奴"が隠しているに違いない。

一体何が起こったのか解らない喜怒哀楽を無視し､自分は此方に対して背を向ける人物に向かって言う





｢一体何をしているのかと思えば……所長をやっていたか、"サートゥルヌス"｣


喜｢サートゥルヌス…?え、いやこの人､夾竹桃 節季(くとうせっき)所長じゃ……｣


｢それは人間の時の名前だ。兄さんは"術師ではないから"こいつの正体を知らなんだ｣




喜怒哀楽が言った夾竹桃節季と言う名､何も知らない様な人間からすれば確かに東都先端生物学研究所の所長で方がつく。だが考えてほしい、此方は陰陽師。術師だ。普通ではない奴が態々普通の人間に会いに行くだろうか？

同時背を向けていた男が此方へと向く。肩までの黒髪に垂れた瞳、萌黄色のスーツ紛いの装いをする30代の男。サートゥルヌスとも夾竹桃節季とも呼ばれた男はニッコリと笑った。



節｢やぁ、神浄兄妹。先の無礼を許してくれ｣

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