ANIMA【仮面ライダービルド】＿duo＿

science59(熾織side) ページ15

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喜怒哀楽の治療を終え数日、熾織は兄が働いている東都先端生物学研究所へと来ていた。因みに浄女はあの格好じゃ見えるので家で待機させている。まぁ何かあれば言霊でも使って彼女の名前でも呼べばすぐに飛んでくるからいいんだが。

とある目的地まで喜怒哀楽に案内して貰っていると、喜怒哀楽はうろんげな眼差しで問い掛ける





喜｢なぁ、お前本当に言ってんのか？｣


｢私は兄さんみたいに嘘はつかんぞ｣


喜｢う"っ……そ、そうじゃなくってよぉ…だって妹が此所の"所長"に会いたい何て何の間違いだって思うに決まってるだろ？正直言ってお兄ちゃんは心配です！｣


｢戯け愚兄め。そんなに疑うのなら一緒に来れば良い、そうすれば解るさ。

………まぁ、このやり取りも見ているとは思うんだがな｣





きっと……嫌、術師でもない兄は解ってない。視えても、感じる事も無いのだろう。

この建物には特殊な術が施されている
熾織自身も此所に入って漸く気付いたのだが成程､どうやら加護の術式と監視の術式が施されている様だ。恐らくはスマッシュやらファウストでも入ってきた時に対処できる様に｡


流石はこの建物の主と言ったところだろうか、背景に戦や魔術界隈を背負うだけあって用意周到だ。間違いなくこのやり取りも覗かれているに違いない。





｢兄さんも陰陽師の修行でもしてみるか？｣


喜｢ぜってー嫌だね｡俺は生物学者と暗殺者の仕事で間に合ってんだよ。っと、此所だ所長室…一応言っとくけど……失礼な事すんなよ?｣


｢……"あっちが失礼な事をしなければ"、な｣


喜｢……?｣




その答えに喜怒哀楽は首を捻るが説明する気も起きなかった。説明するだけ、これから会う所長は気が失せるのだ。話すより一度見てしまった方が説明が省ける。


喜怒哀楽が所長室のドアを軽く叩き、｢所長失礼します｣と一言沿えて開ける

所長室は案外質素だった｡灰色のカーペット、それ以外は白か薄い差し色を使い､故にか所長が座る漆色の机と黒皮の椅子はとても不似合いの様に感じる。


所長であろうその人は此方に背を向け、横には秘書であろう20代の女…………だけではなく、部屋の真ん中には…




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喜｢"何だ…あれ…"｣


｢!?兄さん下がれ！そいつは"霊獣(れいじゅう)"だ！｣



部屋の真ん中には針鼠の毛を持つ異形の牛が佇み、熾織達を見ると犬の様な鳴き声を上げで突進してきた。

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