感情に色をつけて【山姥切国広】

かくれんぼと… ページ5

台所。

風呂場。

洗面所。

大広間。

手入れ部屋や鍛刀部屋まで。

ぐるりと本丸を一回りした所で、あたしは切国に訊く。

「ねぇ、堀川や山伏もここにいるの？」

「あぁ、写しと違って強いから忙しいんだ」

ははっ…と自虐的に笑う切国。

「まぁいいじゃん。それって暇だって事だよね？じゃあ今からあたしと遊んでよ!!」

あたしが切国の腕を掴んでその場でぴょんぴょん跳ねると、切国はう゛っ…といかにも嫌そうな顔をしてたけどスルーする。

「かくれんぼ！あたしが鬼ね。いーち、にぃーい…」

切国は呆れた顔でため息をつきながら、結局は隠れるためにどこかに歩いて行ってくれた。

☆☆☆

「なーな、はーち、きゅーう…じゅう!!」

探すよー！とどこにいるかは分からないけど切国に一言掛けて、あたしは辺りを探し始める。

ひらり。

廊下の曲がり角で白い布が少し見えた。

こんなんじゃすぐ見つけられるよー、と、心の中で呟きながら足音を忍ばせてにじり寄る。

「みーっつけた!!」

曲がり角の先――行き止まりにびしっ、と指を指して叫ぶ。

けど、指差した先には。

「おぉ!!見つかってしまうとは驚きだぜ！」

白銀色の髪に黄色い瞳を細めて豪快に笑う、知らない方がいた。

びっくりさせるぞ！→←兄弟

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