[ぷよぷよ]夢と狂気の魔導師 (ページ28)

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第二十八話　必要な物ページ28

「ごめんね。それしか方法が無いの」

「あの化物を浄化するにあたって、私達はそれなりの覚悟があるってこと。諦めろ」

「ハルル…キルル…本当にこれでいいの…？」

「せっかく友達に…なれたのにですか…？」

「人生の一度には別れることもある」

「怖く…ないの…？」

「怖くないよ。だって私は夢の魔導師。皆の夢を守るくらいなら、これくらいなんてことないよ」

「だったら…」

『もう一回勝負だ！！』

「また！？」

「僕達の辞書に諦めるという言葉は無いよ！」

「何度だってやりますよ！！」

「ハルルとキルルが犠牲にならずに済む方法を見つけるまで！！」

「……」

「いくよキルル。私達だって諦めたくない」

「では！」

「なにはともあれ…」

「レッツ…」

『ぷよ勝負！！』

ハルルとキルルは、血は繋がってなくても、対照的な魔導師でも、姉妹は姉妹。
私達より絆が深まって、昔からずっと居た姉妹は、「諦めたくない」という心が通じているのか、さっきよりも高く、そして深い積み方になり、やがて13連鎖を出したと同時に、ハルルとキルルから羽根が生え、

より、強く。

そして暖かく手を握ると、

「キルル！！」

「うんお姉ちゃん！」

『これで終わりだ(よ)！！』

「夢の！！」「狂気の！！」

『ペアアタック！！

ア・ドリーム・アンド・インセンヌ・インタヴァル！！！』

コンビ魔法を出されると同時に、私達の真上には、星でも月でも、

だからって王冠でもない。

『彗星』おじゃまぷよが居た。

なんとかおじゃまぷよを相殺をしているのはいいが、ぷよがなくなるまでは時間が無い。
さすがは大昔からいる魔導師。ぷよの使い方はサタンと同じくらいか、またはそれ以上かもしれないくらいに積むのが速い。しかも焦っているような感じはしない。
むしろ、姉妹とのすれ違いでより絆が深まったのか、キルルは土台を作り、そしてハルルは土台の上に、かなり洗礼されたツモとぷよが置かれるように、お互いの短所を、長所で埋めあっているように感じられた。

夢と狂気。

なんだか必要がなさそうな物でも、よくよく考えたら、かなり大事な物。

夢が無くなったら、皆が夢を見たいとも、叶えたいとも感じない。

狂気が無くなったら、溜まりに溜まりすぎた怒りや悲しみを爆発させられない。

実は要らないと思っていただけで、本当はすっごく必要なものだと感じるかのように。