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使用人過去編3 ページ11

「お前のような執事はもういらない。いますぐに、ここを……」

「執事長さん」

「!」

柔らかくて、それでいて凛とした声が響く。

レオは慌てて振り返った。するとそこには、

金色をした柔らかそうな髪、

旦那様にそっくりの美しい顔立ちをした少年 西園寺 のえるが立っていた。

「のえるさま!」

レオを含め、執事たちは慌てて頭を下げた。

使用人室に不釣り合いなほど高貴なその姿は、

同じ男性から見ても眩しいほどだ。

「あっれ〜お話中?」

「とんでもございません、のえるさま! このようなところにわざわざいらっしゃらずとも、お呼びいただければすぐに参りましたのに」

「んー僕ねぇレオの淹れた紅茶飲みたい!」

のえるにそう言われ、レオは目を見開いた。

「わ、わたくしの、ですか?」

「うん!パパから、レオの紅茶は美味しいって!だから僕の部屋で淹れてよぉー」

「もちろんでございます。このレオ、のえるさまのためとあらばいつでも喜んで!」

やはり、この家の人たちは分かってくれている。

誠心誠意仕える人間のことを、仕事一筋に生き男のことを見てくれている。

そんな彼たちに自分が見いだされることは、当たり前のことなのだ。

「紅茶って……用意してるのはいつも俺たちで、執事長は注ぎに行ってるだけなんだが……」

レオは、小声で余計なことを話している男たちを睨みつけた。

そんなものは当然、俺が気を使ってやらせてあげているのだ。

レオが淹れた紅茶の味を知ったら、彼たちは恥じ入ってしまうだろうから。

「では、参りましょう♪」

レオはのえると共に、使用人室を出る。

その際、一度室内を振り返り、若い執事たちのことを眺めてふんと鼻を鳴らした。

(見なさい。のえるさま直々にご指名がかかる……これが、お前たちと俺の違いよ)


ーーー


「……大丈夫だった? リゼル」

「僕たちの分も、怒ってくれてありがとう。でも、あんなことしたらリゼルがクビになってしまう」

仲間たちに囲まれて、新人執事であるリゼルは頷いた。

みんなの言う通り、レオはリゼルを辞めさせるつもりだったのだろう。

執事の雇用はすべてレオが握っており、

彼次第でリゼルはいつ路頭に迷ってもおかしくない。

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設定タグ:復讐 , オリジナル , 男主   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» お待たせしました!いやぁ……随分待たせちゃいました…すみません(泣) (2017年11月24日 16時) (レス) id: c9a8051ede (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - 待ってましたっ! (2017年11月24日 0時) (レス) id: febba97d8d (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*@キチ同盟さん» 楽しみに待っていてくれて嬉しいです!更新頑張ります(*`・ω・)ゞ (2017年8月27日 9時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*@キチ同盟(プロフ) - 2、楽しみにしてました!風邪に気をつけて更新頑張ってくださいw (2017年8月25日 16時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» 風邪…なんとか大丈夫ですよwなんとかw更新ボチボチしますぅぇぇぇぇw (2017年8月25日 8時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢喰いオバケ | 作成日時:2017年8月23日 15時

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