貴女は私の救世主前編 ページ6
今日は散々な目に遭った。画材道具は今もなお行方不明。匂いがまとわりついてとれない髪。
もう。身も心もボロボロだ。
休み時間になりみんなが騒ぎだす。
私が廊下を歩けば寝も葉もない噂が飛び交った。
「あの子性格悪いんだってー」
「元イジメっ子って聞いた」
左右の手で、耳を塞ぐ。聞きたくない。廊下をウロウロしていたら
前方から誰かがこちらに向かって駆け寄ってきた。
「廊下は走らない」というポスターを無視して実はカツラを被っている校長が汗だくになりながらこっちに詰め寄った。
「野村さん、何をしてる!!早く来なさい!!」
今までこれといった関わりのなかった校長は私の手首をつかんで歩き出す。
「あの……校長先生……いったい何が……?」
「いいから早く来なさい。それから、校長室に入る前に身だしなみを整えなさい」
何故かそんな命令をされて従うと、校長は一度息を整えた後校長室の扉を開いた。
「西園寺さん、お待たせいたしました。この子がアルムさんと同級生の野村 みうさんです」
校長がスーツ姿の男性に私を紹介する。
その隣にいた男の子は私と目が合うと、ニコッと満面の笑みを浮かべた。
この学校のものではない制服を身にまとう男の子の顔には見覚えがあった。
「みーうーーちゃん!!」
「あっ……。アルム……?」
「当たりー!!久しぶりだね!」
アルムはそう言うと、私にギュッと抱き着いてきた。
「それでは今後の手続き等を含めましてお話させていただいてもよろしいでしょうか?」
「えぇ、お願いします。野村さん、アルムをよろしく」
アルムの父親は私に頭を下げると、校長の話に耳を傾けた。
「アルム……この学校に転校してくるの?」
「そうだよ〜!!」
「そ、そうなんだ。いつから……?」
「ん?あー、そうだね。いつからだろう。ねぇ、パパー。いつから転校?」
アルムは首をかしげながら問いかけている。
14人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*@キチ同盟さん» ありがとうございます!!続編明日書く予定なので是非見てください!では、2で会いましょう (2017年8月17日 16時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*@キチ同盟(プロフ) - 完結おめでとうございます!最後までドキドキさせていただきましたwいい意味で裏切られた感じがします。続編に期待しています。お疲れ様でした! (2017年8月16日 11時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» ありがとうございます。次回作はもっと主人公君を進化させようと思ってます! (2017年8月14日 11時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» ありがとうございます。2はこのあとボチボチ書こうと思います。 (2017年8月14日 11時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - お疲れ様でした。最後にタイトル回収…成る程、「復讐のレクイエム」とはそういう意味だったんですね…。次回作も期待しています! (2017年8月13日 20時) (レス) id: a941132408 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢喰いオバケ | 作成日時:2017年8月3日 16時