復讐序盤 ページ11
泉川 愛 side
しばらく動け無かった。恐らくあのバケツには薬品が一緒に入っていたのだろう。
ババアヘアーの姿に真っ赤に晴れ上がった肌。服は破け、目からは黒い涙が流れる。
「うぅ…絶対許さないんだから！」
廊下を歩けば回りは、目を見開きながら私を見る。それは教師もおんなじ反応だった。
誰も私に話しかけない。もうこのまま早退しょう。
美桜乃に会わせる顔がない…。
ふらふらともうろうしながらも私は家にと足を運んだ。
玄関を開けてすぐその異変に気付いた。
家のあちこちに赤い札が貼ってある。
「差し押さえ」と書いてある札に目を奪われていると、
「愛!!」
リビングから飛び出してきた父がこちらに向かって駆け寄ってきた。
そして、私の前まで来ると父は私の頬を平手で叩いた。
「お前、西園寺さんの息子さんに学校で何をした!?」
目を真っ赤に染め鬼のように怒り狂う父を見たのは今日が始めてだった。
「いった！？つーか、なに!?意味わかんないんだけど!!」
頬を抑えながらそう叫ぶ。
「お前が西園寺さんの息子さんの機嫌を損ねたせいで、俺の人生はおしまいだ!!」
「ハァ？」
「……内部情報をリークされ……税金の滞納までバレた!!!借金まみれでこの先どうやって生きていけばいいんだ!?」
赤札があったのは、税金の滞納がバレたから…？
「税金払わなかったのはお父さんのせいでしょ!?」
「親に向かって何だその態度は!?」
父は胸ぐらを掴み上げると、そのまま廊下に私の体を放り投げた。
身体中激痛が走る。ねぇ…父は私の事心配してくれないの？
変なメイクに変な髪。服だってボロボロだ。
ねぇ…私を見てよ！！
目を見開いて痛みに顔を歪ませるあたしの足を父が蹴り上げる。
「もう全部終わりだ!!」
狂ったようにそう叫ぶ父から何とか逃げ出し、リビングの奥の畳の部屋に向かう。
机には「サヨウナラ」っと一言置き手紙が置いてあり。そこには離婚届も置いてあった。
お母さんは私を捨てたのだ。
もう…無理だ 私には何も無い。
リビングに再び戻り棚から包丁を取り出す。叫び散らす父に私は包丁を突き立てタ。
「…ぐふっ！？あ、あい、お、おま」
ドサッ！と勢い良く倒れる父。血は腹部からどんどんあふれでてくる。
「あはっ…あはははっ…あはははは！」
警察が来るまで壊れたように私は笑い続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*＠キチ同盟さん» ありがとうございます！！続編明日書く予定なので是非見てください！では、2で会いましょう (2017年8月17日 16時) (
レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*＠キチ同盟(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までドキドキさせていただきましたwいい意味で裏切られた感じがします。続編に期待しています。お疲れ様でした！ (2017年8月16日 11時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» ありがとうございます。次回作はもっと主人公君を進化させようと思ってます！ (2017年8月14日 11時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» ありがとうございます。2はこのあとボチボチ書こうと思います。 (2017年8月14日 11時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - お疲れ様でした。最後にタイトル回収…成る程、「復讐のレクイエム」とはそういう意味だったんですね…。次回作も期待しています！ (2017年8月13日 20時) (レス) id: a941132408 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢喰いオバケ | 作成日時：2017年8月3日 16時
