転機と崩壊 ページ5
sideゾム
Aの18の誕生日は俺にとっては別に焦らないといけない日ではないはずだった。
許嫁と顔見せをするとき「仲のいい男が護衛についていたら変な誤解が起こるかもしれない。」という雇い主の言葉で俺はその日護衛から外された。
けど俺は大丈夫やろと思ってそれを普通に受け入れてしまった。だって俺によってさらにAは人間不信を拗らせていた。
許嫁のことだって
親が決めたからお互いしょうがなく従っているだけでしょ？
と。許嫁にほだされるそぶりも何もなかったから。
でも、なんでかは知らんけど顔見せを終わらせた後の彼女は、その許嫁を多少は信用していてそして少しばかり仲良くなっていた。
それだけでも予想外だったのに
最悪なことが起こってしまった。
彼女はその許嫁から真実を聞いてしまっていた。
「ねぇゾムさん。私って変なのかな？」
顔合わせの直後彼女の部屋でそう聞かれた。
『はぁ？なんでそんなこと思うん？』
突然の彼女の発言に驚いたが
出来るだけ平常に、かつ落ち着いて答えた。
ここで下手に焦ったらこの3年間が無駄になる。
「あのねー、私ずっとみんな妥協で私と接してくれてるって思ってたでしょ？そこを疑ったこととかなかったんだけど許嫁さんがみんな私が好きで付き合ってくれてるって言ってくれたの。」
『それで自分が考えとったことがおかしかったんじゃないかと思ったってことか。』
そう言うこと。と彼女が肯定する。
余計なことを｡としか思えなかった。
せっかくずっと準備して彼女の思考を染め上げたのに、許嫁という強敵になびかないようにしたのに、彼女を持っていかれそうになっている…。
彼女が周囲の思いを知ってしまえば、自分が本当に周りから愛されていると知れば、彼女に自分は…ただ一人の理解者は必要なくなってしまう。
ただでさえあのAが他人に心のうちを晒していて、そいつの言ったことを信じてもいいと思っている。
Aの信用を得れたその許嫁はきっといい奴なのだろう。
だからダメだ、
もう一度として合わせては。
何度も会って完璧にほだされてしまっては
Aのなかで俺の存在理由がなくなる。
その現実が、もともと壊れかけていた俺を完全に壊すには十分だった。
もう絶対に彼女を許嫁に合わせないで、
彼女を逃がさない方法。
壊れた俺にはあの方法しか思いつくことがなできなかった。
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green(プロフ) - 転生後が見たいという欲が出てしまいました！ (2022年12月8日 6時) (
レス) @page16 id: 6733124b51 (このIDを非表示/違反報告)
うり - 泣きました…。最高に感動した、、俺は歪んだ性癖なのでこういう4ネタ？大好きです、、最後は幸せだったんだろうなぁ (2022年5月2日 11時) (レス) id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つきまる | 作成日時：2018年7月4日 1時
