転機 ページ4
私の18歳の誕生日。
それは許嫁との初めての顔合わせの日でもあった。
初めて見る許嫁はとても目を惹く男性だった。
照明の光に縁取られた美しい金髪
それと
彼の周りに流れる空気に私は心を奪われた。
珍しく私が他人に興味を持ったのを親は目ざとく気づいたようで
‘‘あとは若い人たちに。’’
という常套句を使われた私達は話をしに庭へ出た。
許嫁の彼はどこかの大学の教授をやっていたらしく
あーこの毒気のない空気はそのせいか。と一人で納得した。
彼は本当に優しくて、敵意も、深い意図もなく単純な興味で私に接してくれていた。
そんなところが
私にとっては楽で嬉しかった。
そしてそこがどこか彼に似ていて、
どうあがいたとこであの緑に触れるすべのない私にとっては嬉しい誤算であった。
ただ、そんなことを思ってしまう自分が最低なのもわかってたし、こんなことに縋ってしまう自分に辟易していた。
そのことを考えていたせいか、はたまた雰囲気的に気が緩んでしまったせいなのかいつもの仮面が剥がれてしまったのか、許嫁さんに気づかれてしまったのだ。
「どうしてそんなに悲しそうな顔をなさってるんですか？」
心の底から心配されてるように聞こえてしまって
ほんと似てる、なんて思ってしまったから
「いいえ、何でもないですよ。私達はただの許嫁なのですから私なんかの機嫌なんてとらなくていいんですよ？」
と素で返してしまった。
すると許嫁さんの顔が途端に曇っていった。
あれ、失礼なこと言ったかな…？
私がそう不安に思っていると
「あの。もしかして、私がAさんを心配してるのは許嫁の体裁を守りたいからだと思ってらっしゃるんですか？」
そう質問された。
「え、そうじゃないんですか？みんな外聞とかそういうのを守りたいから私に関わってくれてるんじゃ？」
「それ、本気で言っているんですか？貴族のお嬢様の中でも人気のある貴女が？」
人気がある？本気？どう言うことなのだろう。
向こうにも私が本気で言ってるのが伝わったのか
顔合わせは急遽会議のようになってしまった。
けどそこで私は初めて気づけたのだ。
自分が生まれてずっと思ってきたことがずれていたこと、自分が人間不信を抱えていたことに。
そして一つの疑問が出てしまった
私に親身になってくれていたゾムさんは
ゾムさんも私と同じタイプの人であっただけなのかそれとも
ゾムさんは私が世間からずれていると気づいた上で
それを正さず話を聞いていたのか。と。
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green(プロフ) - 転生後が見たいという欲が出てしまいました！ (2022年12月8日 6時) (
レス) @page16 id: 6733124b51 (このIDを非表示/違反報告)
うり - 泣きました…。最高に感動した、、俺は歪んだ性癖なのでこういう4ネタ？大好きです、、最後は幸せだったんだろうなぁ (2022年5月2日 11時) (レス) id: 0893c6b06a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つきまる | 作成日時：2018年7月4日 1時
