ご友人？ ページ4
「天音君、具合が悪いって訳やなさそうやけど、なんで今日休み？」
あなたに会わないためです！！
なんて言えるはずがなく、俺は、はははとだけ笑って目をそらした。
「天音君…？どしてん。」
俺の顔を覗きこんでくる夜久さん。やめてほしい、顔面どうなってるんだこのイケメン。
「天音君、あの、もしかしてさ………」
?「あっ！！夜久やーん！お久しぶり大根〜」
夜久さんがなにか言いかけたとき、後ろから白髪の男がやってきた。
肩に つかないくらいの長さのボサボサの白髪に、目を隠す前髪、鎖骨がみえる薄いTシャツ。
漂うイケメンオーラが凄い。
「…………なんやお前。しらんのやけど。」
あのいつもニコニコしている夜久さんがゴミ…いや、牛乳を拭いた雑巾を嗅いだときのような、そんなかんじの、嫌そうな顔をしている。
「え”っ…なんでなん！自分ら親友やろ?!?!」
「いや、知らん言うてますよね。失せろ牛乳雑巾。」
俺は夜久さんの後ろで、牛乳雑き……白髪男をじっと見る。
「牛乳雑巾って傷つくわ………ん？なに？その子。」
「ﾋｯ」
相手の目は見えないが、たしかに目があった。俺はすぐに目をそらす。
「え！なになに？もしかして、夜久のダチ？」
じりじりとこちらに近寄ってくる白髪男に、軽く恐怖を覚える。
「おい、お前やめろや。」
「えーええやん。わし、日塚 響(ﾋﾂﾞｶﾋﾋﾞｷ)っていうんよ。よろしゅうな！」
「ひ、日塚さん…」
夜久さんは、日塚さんのことを睨み、圧を加えているが日塚さんには、あまりきいていないみたいだ。
「自分、名前なんていうん？」
「あ、えっと佐藤ぁむぐっ！！！？？？」
天音、そう言おうと思ったら、夜久さんの大きな手で口を塞がれる。
「天音君………コイツに名前教えたらアカン。」
「いや、夜久。今お前が言ったで？なぁ、佐藤天音君。」
俺は口を塞がれたまま、顔を縦にふる。すると夜久さんは、青ざめた顔をして、俺の肩を掴みごめん、と一言だけ言った。
「いいですけど……別に、日塚さん悪い方じゃなさそうですし。」
「せやで？わし超善人！おまけに超美人！…………いや、美人はちゃうか。」
きっと美人なんだろうなぁ…という目を日塚さんにむける。
「あ、そういえば夜久さん。さっきいいかけたことって、なんですか？」
「え、あぁ…なんもないよ。ごめんね」
夜久さんの顔が、少し赤かった。
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作者名：久我 羊 | 作成日時：2020年8月28日 22時
