続(rbr×zm)※誤字訂正版 ページ42
俺は初めて、頭の中で誰かの言葉がこだますることがあると知った。大好きな人が、俺のことを大好きでいてくれている。それを実感して、いてもたってもいられなくなって、ロボロを目掛けて飛び付いた。
「うわっ！ なに、ど、どしたん」
ロボロの肩に顔をうずめて、声にならないこの気持ちををぶつける。俺たちは日本じゃ結婚できないのに、まだ偏見がなくなっていない世界なのに、俺と一緒にいてくれるの？ 好きでいてくれているの？ 隣にいていいの？ 沢山沢山聞きたいことがこみあがってきて、喉がつまる。かわりに涙が溢れて、ロボロのタキシードが濡れる。
「ゾム、オッケーってことで、ええんかな」
言わなくてもわかるだろ、なんて野暮なことは言わず、『うん』とだけ返す。それが精一杯だった。嬉しいとか、よろしくとか、もっと言う言葉はあったろうけど、そんなものじゃ俺の心は伝えられなかった。
ぎゅっと抱き締めると、背中を優しくさすられる。このまま時間が止まってしまえばいいのに、なんて言葉が頭に浮かぶ。どうしよう。好きすぎて、どうしよう。
「ん……ありがと」
涙も止まって、高ぶった気持ちが少しだけ落ち着いたので、ロボロからそっと離れる。それから、また手を繋いで、夜なのに眩しいくらいの都会の景色を見下ろした。なんだか、またプロポーズの言葉が思い出されて泣きそうになる。やっぱり年をとるにつれて涙腺が緩くなるなあ、と思いながら、滲み出た涙を拭う。
「あ、ゾム。言うの忘れとった」
「え、なに？」
妙に真剣な顔で言うもんだから、また胸が高鳴る。心臓の音が手を伝ってロボロに聞こえてしまいそうだ。
スッと、ロボロが俺の耳元に口を寄せる。そして、一息。
「 」
「ゾムは？」
にっこり笑って、聞かれる。当たり前の答えなのに。
終
一緒に(em×cn)⚠️モブ男、モブ女出ます※誤字訂正版→←一回しか言わない(rbr×zm)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
バリバーリリバーリリ - 久我羊さん» ありがとうございます！ (2022年10月3日 17時) (
レス) id: 5a44a18186 (このIDを非表示/違反報告)
久我羊(プロフ) - バリバーリリバーリリさん» 突然の告白好きです。リクエストありがとうございます。しばらくかかると思いますので、気長にお待ちいただけると幸いです…！ (2022年10月3日 13時) (レス) id: c8f3b604c9 (このIDを非表示/違反報告)
バリバーリリバーリリ - コメント失礼します！正直言うてめっちゃ好きです！（突然の告白）応援してます！そして、ciutでひたすらキスするシチュをお願いします！ (2022年10月2日 23時) (レス) @page46 id: 5a44a18186 (このIDを非表示/違反報告)
久我羊(プロフ) - Iam猫さん» ありがとうございます。今書いているものが終わりしだい、書かせていただきます (2022年9月20日 15時) (レス) id: c8f3b604c9 (このIDを非表示/違反報告)
Iam猫(プロフ) - コメント失礼します。htosで焦らし、お願いできますか…？あ、 (2022年9月20日 13時) (レス) id: 2a997d0ece (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：久我 羊 | 作成日時：2020年2月11日 12時
