これは恋じゃない 続(tnzm) ページ34
トントンが、恐る恐る声をかける。なに？ そう言いたいのだけれど、上手く声が出ない。
「顔、赤いけど大丈夫か？」
トントンは何を言っているのだろう。顔が赤いのはお前もやろ、と言おうとするが、またもや、上手く声が出せないのだった。どうした俺。トントンをからかうんだろ。と、頭の中の俺が怒鳴る。カチコチと、時計の針が動く音、トントンと俺の息づかい、布の擦れる音、全部が耳の中に入ってくる。その中でも一番大きく聞こえるのは……ああどうしよう。これは、
――俺の心臓の音
ドキンドキンと、柄にもなく心臓が高鳴っている。おそらく、いや絶対、俺の顔はトントンの言うとおり赤いだろう。もしかしたら、耳まで赤くなっているかもしれない。それをトントンに見られたら、俺はどうなってしまうのだろうか。
「ゾム」
「あ、っと……な、なに？」
やっと声が出せたが、トントンと目を合わせることができなくなってしまった。明らかに目を合わせようとしない俺を見て、トントンから不思議そうに見られる。
「お前、俺のこと好きやったんか」
「え」
トントンから、思いもしない言葉が放たれる。違う。そうではない。顔が赤いのも、心臓がこんなに鳴っているのも、トントンと目が合わせられないのも、違う。俺は、こいつにそんな想いを抱いてなどいない。
「最近積極的だったんはそういうことか……」
点と点が結ばれたようで、トントンは微笑む。暖かいトントンの手が、首筋をつたう。それにゾクゾクと体を反応させれば、トントンは楽しそうに笑った。
「なあゾム」
顔を掴まれ、強制的に目を合わせられる。トントンは優しく笑いながら、頬を軽く染めている。
「俺はゾムのこと好きやで。ゾムは？」
意地悪だ。この気持ちを認めたくない俺に、言わせようとしているんだ。違う、違うと言わなければ。お前のことをからかうために、積極的にしたのだと。
しかし、それはもう苦しい言い訳にしかならなそうだ。好きだと言われることに、嬉しくなっている自分がいる。これは恋じゃないと、思いたかった。
「俺も、好き……」
終
大丈夫だ、問題しかない(rbrut & syp、kn)※学パロ→←これは恋じゃない(tnzm)
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バリバーリリバーリリ - 久我羊さん» ありがとうございます！ (2022年10月3日 17時) (
レス) id: 5a44a18186 (このIDを非表示/違反報告)
久我羊(プロフ) - バリバーリリバーリリさん» 突然の告白好きです。リクエストありがとうございます。しばらくかかると思いますので、気長にお待ちいただけると幸いです…！ (2022年10月3日 13時) (レス) id: c8f3b604c9 (このIDを非表示/違反報告)
バリバーリリバーリリ - コメント失礼します！正直言うてめっちゃ好きです！（突然の告白）応援してます！そして、ciutでひたすらキスするシチュをお願いします！ (2022年10月2日 23時) (レス) @page46 id: 5a44a18186 (このIDを非表示/違反報告)
久我羊(プロフ) - Iam猫さん» ありがとうございます。今書いているものが終わりしだい、書かせていただきます (2022年9月20日 15時) (レス) id: c8f3b604c9 (このIDを非表示/違反報告)
Iam猫(プロフ) - コメント失礼します。htosで焦らし、お願いできますか…？あ、 (2022年9月20日 13時) (レス) id: 2a997d0ece (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久我 羊 | 作成日時：2020年2月11日 12時
