彼らの恋愛話 (ページ3)

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夢での再会Ⅱ【C33G8(少しだけC2)】ページ3

それから、コロコロ話題が変わっていった。
最近の天気の話や仲間の話、結婚の話、もちろん野球の話も。
いつ話のネタがつくのかという位、長い時間話したと思う。
オチもそろそろかと言うところでタイミングよく遠くの方から声が掛かった。
あの声は…田中だな。

田中「おーい菊池ー？」

「はーい！」

田中「どこに居るのー？練習するよ～！」

「おーう！ちょっと待っててー！」

パッと立ち上がっては、遠くから聞こえる声に応答する。
その後にすぐ、座っている彼の方へ顔を向けた。

「練習するって！早く行こ！」

丸「あー…菊池、先行ってていいよ

俺は後で行くから」

「えー何だよ～！せっかくなんだし一緒に行こーぜ～？？」

丸「悪いけど今は無理かなー、ちょっとやることあるからさ」

「やることって？」

丸「んー色々？」

「…は？」

丸「とりあえず俺も俺でちょっと呼ばれてんの、先そっち行くから。

菊池も早く行かないと怒られるよ？」

…呼ばれてる…？

誰に…？

──どこから…？

「っ…！！」

そうだ。
そうだった。
彼は移籍したんだ。
別の場所へと。

だからもう、練習なんて──

「…」

丸「…？どーしたよ、急にそんな暗い顔して？」

「ん？いや…どこ行くんだろーなって、思っただけ

…もう会えなくなんのかな、俺たち…」

「…ぁ、」

ハッとした。
不意にも口に出た最後の一言。
正直これが本音だった。
彼は移籍した、けど同じリーグ。
幾らでも会える。
会おうと思ったら会える。
はずなのに。

丸「…え？何言ってんの…会えるに決まってんだろ？」

「…会えるけどちげーじゃん。

お前どうせ戻って来ねーだろここに」

丸「……知ってんじゃんかよ、俺が行くところ」

「今俺が止めたとしてももう遅いっしょ？」

丸「…まぁね」

「本当は残ってて欲しいけどな…」

丸「…俺も残りたいよ」

「…」

丸「…でもさ菊池、会えなくはないだろ？

分かってると思うけど、一応同じリーグなんだし」

「…うん」

丸「つーか会えないとか極端に言っちゃえばの話だろ

…こういうのは”会えない”んじゃなくて”会う”んだよ、菊池」

「…丸…」

丸「…ま、予定が合えばの話だけどな」笑

田中「菊池ー？まだー？？」

丸「ほら遅いって、田中が待ってる

早く行ってやりな」

「…なぁ、丸」

丸「なに？」

「またこうやって…話してくれる？」

丸「ふはっ、改まるね～

…いいよ、話そ」

「！…じゃ、また後で！」

丸「ん、後で」