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『箱庭のきみに送る花』4 ページ19







あの日以来、威尊が時間通りに来ないことはなかった。

花も欠かさず、替えてくれる。






威尊にしてもらってばっかり、何もしてあげられない。

あの日みた女の人なら、威尊に色んなことしてあげられるんだろう。

私はただ、威尊にして貰う。それだけしか出来ないのだ。







威尊が勧めてくれた本を閉じて、息をついた。

ただ人を好きになって、愛し合う。

私には出来るだろうか。






『……私、恋愛とかできるのかな。』


「どうしたん急に?……できるに決まってるやん。」


『……でも、足も動かない女とは、何も出来ないよ。』





性の関係がない恋人なんて、成立するんだろうか。

そんな、聖人みたいな拷問を生涯耐えうるだろうか。






「A、そんなこと言わんとって。それだけじゃないやん、……恋愛って。」


『ほんとに、……そう思う?』


「うん、…関係ないよ。」




優しく宥める威尊、いつも優しい。

可哀想な私を、大事に、傷つけないように、距離を保ってくれている。






『私は……嫌だよ。

好きな人とキスもしたいし、それ以外のこともしたい。』



「……A」



『威尊が好きなの。』





威尊の腕を掴んだ。ちっさい頃とはずっと変わった威尊の筋肉のついた腕。





「は…え?」



『威尊と、キスしたいよ。


それ以上の事もできる、動かないけど体は女だもん』





この腕で、優しく包むんじゃなくて、力強く、壊れるくらい抱きしめて欲しい。

遠慮なんかしないで、私に触れて欲しかった。





威尊、私たち、言わなかっただけだよね。

好き同士、だったよね……?






「……うん、俺はAのことずっと好きやったで。

好きじゃなかったら、こんな毎日一緒にいーひんし。」





わかっていたことだけど。
改めて、口にされたその言葉に泣きそうになった。





『じゃあ、いいでしょ。 キスしてよ。』



「A、どうしたん……?急に」



『いいじゃん!好きな人同士は普通でしょ』



「ちょっと待って、A、落ち着いて」






ボタンを外そうとした私の腕を取り上げ、威尊は私の肩を持って宥めようとする。






『なんで!!私が普通じゃないから?』






言葉は、ヒステリックな響きで病室を静かにした。




女から迫るなんて、随分、惨めで恥ずかしい。

でもそんなことはどうでも良かった。











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設定タグ:INI , 西洸人 , 尾崎匠海   
作品ジャンル:恋愛
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やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» 本当ですか〜❣️嬉しくてあったかいお言葉ありがとうございます😭がんばります! (11月13日 22時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - やなぎ茶さん» なるほど😮💡了解です‪👍🏻 ̖́-‬︎亡霊、拝見させていただいています!やなぎ茶様のペースで更新頑張ってください🥹💖 (11月13日 7時) (レス) id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - する予定ですので、その時ご機会あればよろしくお願いします☺️ (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» ayu様コメントありがとうございます❣️そちらですが、続編のお話が長編化したもの(亡霊)と、途中まで書いたものがありまして、中途半端なのと年内更新予定がないため現在は非公開にしております‪‪💦‬ また年明けには公開して更新 (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼致します🙇‍♀️この作品の続きが気になるのですが、パスワードはどうすれば教えていただけるのでしょうか…?どこかに書いてあるのなら確認不足です‎;ᯅ;すみません、! (11月12日 20時) (レス) @page46 id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やなぎ茶 | 作成日時:2023年3月27日 18時

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