『箱庭のきみに送る花』3 ページ18
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そんな私のささやかで幸せな日々。
それが崩れ始めたのは、夏の終わり。ひぐらしが鳴き始めたころだ。
威尊がいつも来る時間。
珍しく夕方のチャイムが鳴っても威尊は来なかった。
連絡も来ない。
威尊、何かあったのかな。事故とか、じゃないよね。
スマートフォンを確認して、電車の遅延を検索したり、ニュースかなんかを見ても、特に変わりなかった。
充電切れたのかな。
落ち着きなく、手に届くものを弄る。
なにか大学で急用が出来たのかな。
優しいから、おばあちゃんとか助けてるのかな。
それとも……もう来たくなくなったのかな。
無い話では無い。
普通に考えて、今まで来てくれた方がすごいのだから。
威尊、忙しいもん。
今日だけ、なのかな。
それとも……これからもずっとなのかな。
時間が経つごとに、不安な気持ちが増していく。
いつも、ここに来たよね。
この時間には来たのに。
クーラーの効いた部屋の閉じられた窓が、酷く息苦しく感じた。
威尊、どこにいるの？
“窓は絶対自分で開けんといて”
窓くらい自分で開けられると、1人で開けようとした私が床で動けなくなってるのを見て、威尊が珍しく叱ったのを思い出した。
なんとか足を引きずって、ベッドから転がり落ちた。
額を打ち付けた、骨が変な打ち方をした。
痛い。
窓に縋るようにして手を伸ばし、窓を開ける。
ぬるい風が腕を撫で、外を見下ろした。
『威尊…！』
遠くで見えた、威尊だ。
ほっとして、また体を上げて威尊を見ようとしたのだ。
『たけ……』
威尊の横には女の人がいた。
楽しそうに笑ってはしゃぐ女性は、オシャレな服を着て、髪の毛は明るく、おしゃれにアレンジされている。
その横で威尊は、楽しそうに笑っていた。
白色のチューリップを抱えた女の人。
私の好きな花。
威尊が渡したんだろうか。
.
病室に来た威尊は、床に這いつくばった私を見て慌てて私を抱き上げた。
威尊は、前回みたいに叱ったりしなかった。
ただごめんと、泣きそうな顔で私の手を強く握った。
来ないかと思ったと呟く私に、威尊はそんなわけないやろと、笑って抱きしめた。
罪悪感に満ちた威尊の目が、辛かった。
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やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» 本当ですか〜❣️嬉しくてあったかいお言葉ありがとうございます😭がんばります！ (11月13日 22時) (
レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - やなぎ茶さん» なるほど😮💡了解です👍🏻 ̖́-︎亡霊、拝見させていただいています!やなぎ茶様のペースで更新頑張ってください🥹💖 (11月13日 7時) (レス) id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - する予定ですので、その時ご機会あればよろしくお願いします☺️ (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
やなぎ茶(プロフ) - ayuさん» ayu様コメントありがとうございます❣️そちらですが、続編のお話が長編化したもの（亡霊）と、途中まで書いたものがありまして、中途半端なのと年内更新予定がないため現在は非公開にしております💦 また年明けには公開して更新 (11月13日 1時) (レス) id: 5b37ec5afa (このIDを非表示/違反報告)
ayu - コメント失礼致します🙇♀️この作品の続きが気になるのですが、パスワードはどうすれば教えていただけるのでしょうか…？どこかに書いてあるのなら確認不足です;ᯅ;すみません、！ (11月12日 20時) (レス) @page46 id: 9a7e8648d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やなぎ茶 | 作成日時：2023年3月27日 18時
