一回だけ ページ13
「一回だけヤらせて」
本当にこれは女の口から発されている言葉なのか。
あからさまに顔を顰めた俺をみて焦った顔をしたAは「べつに減るもんじゃないでしょ」と付け足した。
火に油なんだけどな。
「一回ヤって、どうすんの」
さっきから斜め下と俺の目を行ったり来たりしていたAの目が俺の目に留まって明るく光ったので、俺は「別にやんねーぞ」と釘をさした。
コロコロ変わる表情が面白くて片方だけ口角を上げて笑えば「意地悪」だなんていうもんだから、お門違い。
「女が言うセリフじゃないよ、そういうの」
「ブーブー、男女差別だ」
「うるせえ」
「私としたくないってわけ?」
「うん、別に」
「ねえ〜ユンギ〜…」
腕に絡みついてきたAを強めに遇らえば、本気で傷ついた顔をするもんだから困る。なんか、俺が悪いことしたみたいじゃん。
ちょっとやりすぎたかな、なんて不安になるもんだからどうにもおかしい。
おかしいとおもいつつも念の為、と言い訳をして顔を覗き込めば「一回だけ」と人差し指を立ててウインクされる。
・・・・懲りないやつ。
ため息をつけば、ふん、と鼻を鳴らして顔を背けられる。一瞬、Aが傷ついた顔をした気がしたけど。
「もういいです。ユンギがやってくれないなら、ジミンにお願いするもん」
「おまえな」
………気のせい。
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作者名:J | 作成日時:2022年6月16日 20時