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ページ12

「仮に付き合ったとして、その先は?」

「どうせ別れるなら、付き合ったって意味ないよ。」

「Aが僕を変わらず好きでいてくれる補償なんてどこにもない」

「…ほら、答えられないね」


言葉を失った彼女が酷く傷ついた表情をする。なんだよ、その顔。きっと今の僕の顔はもっと酷いはずなのに。彼女を責める言葉しか浮かばなかった。

本当に、酷い女。思わせぶりで、残酷で、軽率で。
僕がどれだけ君を想っているかなんて知らないくせに。

「努力してたのに」

「ずっと、壊したくなくて、怖くて、バレないように、君の負担にならないように、ずっと」

「ずっとそうやって振る舞ってきたのに」

「酷い」

一方的で身勝手なのは僕だって、わかってた。



Aの唇を無理やり塞いで、噛んで、犯した。
傷つけばいい。僕を傷つけたって自覚して、一生僕を引き摺ればいい。

ごめんなさいって謝り続ける君に腹が立って、悲しくて、やるせなかった。
僕が欲しいのはそんな言葉じゃないのに。


あーあ。

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作者名:J | 作成日時:2022年6月16日 20時

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