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横になって見つめあうと、薄暗い部屋で輪郭がぼやけたジミンの顔がゆらゆらと揺れた。
ジミンはこれからすることを教えるかのように私の唇をゆっくりなぞり、私はこれから行われるであることを予想して身を震わせる。甘い口づけと、甘い交わり。
鼻がくっつきそうなお互いの距離に吐息が肌を掠め、それがまた私の欲をそそる。
はやくされたい。
鼻がゆっくりとくっついて、私を焦らすようにジミンの動きが止まった。ジミンの口角が楽しそうに弧をえがいた。私の気持ちなどお見通しだとでもいうかのように。
ジミンが私の手に触れて、感覚を確かめるように絡めていく。徐々に密着していく2人の肌が焦ったさと興奮を煽って「はやく」そう口が動いた。
私の言葉を合図に、お互いが唇を寄せていく。それもまたゆっくりと。やっと唇に触れたジミンの唇はたまらなく柔らかくて、背中にゾクゾクとした快感を覚えた。どうしよう、気持ち良すぎる。
ジミンの指が私の仙骨をなぞれば、腰が自然と揺れた。
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行為の前の戯れを交わせば、あるところで「いい?」とジミンが確認する。なんのことかは言わなくてもわかる。
頷いてしまえば、もう後戻りはできない。私たちは今夜も深く繋がって、ひとつになる。
「好き」「気持ちいい」「堪らない」
行為が終わればどこかに消えて、決して残らない言葉を投げかけあって欲を満たす。
その場凌ぎの言葉で満たして隙間を埋め合い、堪らなく苦い夜を少しでも甘くしようと必死な、異常なまでの寂しがり屋。滑稽で、自分によく似たお馬鹿さん。
いいよ、私で満たしてあげる。だから私のことも満たして、嘘の言葉で優しく包んで。
「ジミン好き、私でいっぱいになって」
熱い吐息が混じった声でそう言えば、ジミンは「僕も。もう逃してやらない」と目を細める。
私達はいつまでこの関係を続ければ気が済むんだろう。私はジミンの沼から一生抜けられないし、ジミンを逃してあげるつもりもない。
好きな人ができても、恋人ができても、結婚しても、私たちは一生人生の苦さを薄め合うだけのかけがえのない存在であり続ける。
「Aってさあ、いつも堪らなく甘い良い匂いで、すぐ食べちゃいたくなる。」
私を優しく包み込みながら寝そうな声で小さく呟いたジミン。
きっとこれは甘い嘘でもその場凌ぎでもなんでもない、ジミンの本心。私たちは間違いなく相性がいい。
私は、ジミンの心地よい心臓の音を聞きながらゆっくりと眠りについた。
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作者名:J | 作成日時:2022年6月16日 20時