黒い薔薇を貴方に。2

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(知 念side)


…最悪だ。


家に帰ってないこと
そしてこの家のこともバレた


圭人はなんでこの家を知ってるの？


僕は一言もここに住んでるなんて言ってないのに


涼介「侑李、食欲ないの？」


お風呂から上がった涼介が作ってくれたご飯


いつもなら美味しい美味しいって食べるとこだけど、今はそんな気分になれなくて


侑李「あ…ううんっ、…大丈夫！」


そうやっていつもと変わらない笑顔を作るけど


涼介「何嘘ついてんの？」


侑李「え……」


涼介の前ではこんな嘘無意味で
僕のつく嘘は、すぐにバレる


涼介「俺、前侑李になんて言ったか覚えてる？」


侑李「えっ……と…」


僕が考え出すと、涼介はイラつきだしたのか僕に向かって近くにあったハサミを投げる


するとそのハサミの先が見事額に強く命中し、僕の額からは一筋の赤い液が流れた


涼介「血なんか出しちゃって、俺のこと誘ってんの？」


おかしいかも、じゃなく”おかしい”


その事に早く気付けば良かったんだ


前は涼介との恋に夢中で、涼介が僕を束縛しようが何をしようがそれほどおかしいとは思わなかった


人とは違って、ちょっと怖いとこもある。


僕は涼介のことをそういう風に思い込んでいた


侑李「ちが…っ」


僕がそう言うと、テレビのリモコンが僕の隣にｶﾞﾝｯという音を立て落ちた

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