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幼馴染の彼女が自分に恋愛相談がしたい？
それはつまり、Aに好きな人が出来たということ。
は？
意味がわからない。
千冬はずっと、Aの中には
自分だけしかいないと思っていた。
少なくとも、Aの中にいる
男の中ではトップに立っていると思っていた。
でも違った。
「_____はぁぁぁぁ!!?」
急に千冬は叫び、その場で立ち上がると
口を開けたままAを見下ろした。
突然の千冬の行動にAは驚き、
ペケJまでもが驚いて千冬を威嚇している。
「な、なに？どうしたの、千冬」
「どうしたって……は？おま……は？
好きな奴、出来たのかよ」
「______は？」
慌てる千冬の前で、今度はAが"は？"と口にした。
千冬とAの2人が互いに
話が掴めないまま見つめ合っていると、
Aが"ぷっ"と突然笑い出した。
「ぷっ、ふふっ…千冬、何勘違いしてるの」
「っ、は？」
「恋愛相談は私じゃなくて、友達が！」
恋愛相談の相談をしたい______
Aが話すには、
友達から恋愛相談をされたのだが
自分は上手くアドバイスが出来ないから
自分に聞きに来たらしい。
勘違いしていたと知った千冬は
足から力が抜けるようにその場に座り、
目の前で笑うAをただ見つめていた。
「(ッ、何だよ……驚かせやがって…)」
______マジで焦った、心臓に悪い。
・
「…ふぅん、なるほどな……」
Aが話すには、学校の友達が
どうやら先輩の事を好きになったらしく、
Aに相談したらしい。
所謂、恋愛相談というやつだ。
Aはそういう話は苦手、
だからこそ得意そうな自分に
相談してきたらしい……のだが、
「誰が得意そうだって？」
「えー？……少女漫画全制覇してる
千冬様なら経験豊富かと……
……………あ、でも彼女いないのか______」
「だぁぁぁぁッ、彼女いないとか言うな！
それに、少女漫画の全制覇はしてねぇよ…」
人の気も知らないでこの女は…
目の前で呑気に揶揄いながら笑う幼馴染を見て
千冬は眉間にシワを寄せ、口を尖らせる。
経験豊富…？そんなわけない。
今、自分の目の前にいる彼女にすら、
意識させようにもしてもらえない自分なんて
経験豊富と言えるわけがない。
そもそも彼女なんてい、いらない…し……
でも、彼女にするとしたら……______
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作者名：結祈華
| 作成日時：2023年2月11日 0時
