友達の好きな人に言い寄られるので相談しました。【東リベ】 (ページ44)

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三ツ谷の一件が千冬の件に繋がるなんて、

千冬は気になってはいたがまさかと思い、
それらを繋がるなんて出来なかった。

そして現在。
公園のベンチに座る三ツ谷と千冬の場面に戻る

「Aちゃんみてぇな幼馴染がいて
オマエが羨ましいよ」

「…そう、すか？面倒なだけですけど」

三ツ谷から聞かれた言葉に千冬は返す。

幼馴染。
その言葉は好きだけど好きじゃない。

頼ってもらえるのは嬉しいが、
男としての意識はしてもらえないから。

千冬としては、複雑な関係下なのだ。

「ただただ、危なっかしい奴っすよ…」

「だからじゃねぇの？
守ってやりたくなるのがいいんじゃねぇか」

三ツ谷くんよく分かって、る…_____じゃねぇ!!
何共感してんだ、オレ！

頷きかけた千冬は頭をブンブン横に振って
思考をリセットさせる。

その様子を見た三ツ谷が"大丈夫か"と声をかけ
"問題ありません"と千冬は答えた。

「…ああいう子が幼馴染で、
千冬は何とも思った事ねぇの？」

「…何を、思うんすか……」

三ツ谷の言葉の意味は分かっている。

けれど、知らないふりをして
千冬はあえて訊ね返してみた。

三ツ谷からの答えはなく、
ただ笑顔を向けられるだけだったが。

「…オレ、は………」

「…………ま、何も思わねぇんならそれでいいけどよ」

オレにはそれが助かるから。

付け加えられた三ツ谷の言葉に
千冬の中で焦りが募った。

自分の手には自然と力が入り、拳を握る。

足元を見ていた千冬は突然立ち上がり、
三ツ谷の方へ顔を向けると見下ろした。

「千冬？どうした」

「三ツ谷くん。
オレ、今から結構失礼な事言うんで
先に謝っときます。すいません」

「……聞いてやるよ。オマエが言いてぇ事。何だ？」

三ツ谷は冷静に立っている千冬を見上げる。
ゴクリと息を飲んで、千冬は口を開けた。

その様子を離れたところにいたAは見ていたが、
すぐにルナマナに呼ばれてしまった為
気にする事が出来なくなっていた。

「Aから聞いてるんですけど、
最近学校の先輩が妙に言い寄ってくるって。
その人に嫌いって言ってもそれは変わらずに
むしろ喜ばれたって」

「あー、それオレだな。結構辛辣な事言ってんのな。

…まあ、オレは不良だし、
怖がられるよりは嫌いって言われた方が
話しかけられるって思ってな」

「…自分だと、何を言っても意味がないって…
だから、今日オレがアイツの学校に行って
直接言うつもりだったんです。結局いませんでしたけど。

でも、それが三ツ谷くんって分かって
今この場にいるんで、オレ言います。

_____三ツ谷くん。アイツ、男が嫌いなんです。
話しかけられるのすら迷惑がってるんで、
もう、近付くのはやめてもらっていいすか？」

言いたい事を言い切った千冬。

ずっと三ツ谷は目を逸らさず、
ただ千冬の言葉をしっかりと聞いていた様子。

ちゃんと言えたと、千冬は少しだけホッとする

かなり生意気な事を言ったとは思うが一先ずは言えた。

…が、それも束の間。