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「……コッチの女も
オマエらの事 子供扱いしてたけど言わなくていーの?」




「え"っ…ち、千冬?」









ニヤリと笑った千冬が
子供達に向かって発言すると隣の私を指さした。


…さっきの笑いそうになったの、バレてたんだ


私にはどんな辛辣な言葉が飛んでくるのか…

ゴクリと息を飲み、子供達からの言葉を待った


もういい。この際、一思いに言ってくれー!




でも、覚悟を決めていた私に飛んできた言葉は
想定外のものだった。









「美人好きー♡」









1人、お姉さんの方がそう叫ぶと
私の腰あたりに腕を回して抱きついてきた。

続いて妹さんの方も無言で抱きついて来る。




…………えっと、どういう状況。




困惑する私に、抱きつく2人は顔を上げた。


その時の、上目遣いにしている姿を見て
もう困惑していたのがどうでもよくなった。









「か、………かわいい…!!」




「…はぁ?」









呆れた千冬の声は無視しよう。


私はこの状況に喜んでしまい、
両手で2人の頭を優しく撫でていた。









「……何でコイツにめっちゃ懐いてんだよ。
つーか、美人ってどこが?」




「千冬ー、喧嘩打ってます?買いますよ、私」




「おー、買ってくれんのか?じゃあやろーぜ」




「スミマセン……あの、無理です」









千冬と喧嘩するなんて絶対負ける。


女だからとか関係なしにこの人は絶対容赦しない。


でも悔しいぃぃ!


そりゃ私自身、別に美人じゃないですよ?

分かってますよ?

でもハッキリ美人じゃないって言われたら嫌だし、

逆に美人って言われたら嬉しいじゃないですか









「はぁ……とりあえず、そいつらとはオマエが話せ。
オレよりも答えてくれんだろ」




「あー…そうだね。
ねぇ、君達。2人だけでここに来たの?」









この状況のままでは駄目だ。


千冬に言われながら私は
まだ抱きついている2人に向かって質問してみた。









「んーん、ルナとマナは2人じゃない。
お兄ちゃんと買い物に来た」




「ルナちゃんとマナちゃんね。
お兄さんってどこに……_____」



















 









 









「_____ルナ!マナ!」









その時、男が遠くから叫ぶ声が聞こえた。


男が呼んでいた名は、
今しがた私がこの子達から聞いた名前。


2人は私から手を離すと、私の後ろを見ながら

"あ、お兄ちゃん"

と、私の後ろにいる誰かを呼んでいた。


一緒に来ていたお兄さんが
この子達を心配して探していたのだろうか。


私はホッとしながら後ろを振り返ってみる。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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