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「オイ女。テメェに関係ねーだろ。
勝手に割り込んできやがって、俺の邪魔して。
俺はそこの餓鬼に用があんのによ!」









邪魔してんじゃねぇ!




そう言った男は拳を私へ振りかざそうとする。




避ける?いや避けれない。
そんな反射神経私にはないし。


それに、避けたら
後ろのこの子達が痛い思いをする。


だったら私が受けないと_____




痛みを待つ為に目を閉じる。


 









 




…しかし、すぐに感じるはずの痛みが全くこない


男の拳が当たった感触もない。




え?


疑問に思いながら私は恐る恐る目を開けた。


すると、男の拳は私の顔の前で止まっていた。









 




 




「汚ねぇ手をコイツに向けてんじゃねぇよ」




「…………ちふ、ゆ…」









男の拳が止まった理由。


それは、千冬が男の振りかざした腕を
片手で強く握っていたからだった。


千冬は私の方は向かずに、男の方を睨みつけている。









「ッ、離せよ」




「アンタがこのまますぐに逃げ帰ってくれるんなら
離してやってもいいぜ?」




「あ"?中坊だろ、お前。
テメェはこの女と一緒に
家に帰って大人しく勉強してろよ」




「……歳上がそんなに偉いかよ。
早く産まれただけで粋がってんじゃねぇ。
クズな事しか出来ねぇ野郎が」




「何だと?」




「自分より弱い子供相手に
喧嘩打ってるくらいだもんな。オマエ、弱いだろ」




「っ、何だよ。やんのか?あ"?」




「オレはこのままやり合ってもいいぜ?
でもいいのか?後悔すんのはアンタの方だけど」









千冬は更に 男の腕を掴む手に力を入れてるのか、
痛がるように男の顔が歪みだした。




…喧嘩の事はよく分からない。


けど、千冬が喧嘩をして ボロボロで
帰って来る事が多々ある事を私は知っている。


あまりお母さんに心配をかけたくないのか、
怪我の手当ては何故か私の家に来るし。


だから、喧嘩がすごく強いって事では
ないのだと思っていたのだけど…


この、歳上の高校生相手より
もしかして…力は千冬の方が強いの?




しばらく男は千冬の顔を無言で見た後、
"離せ"と無理矢理千冬の手を振り解いた。


そして、背を向けて
機嫌が悪そうにこの場を立ち去ったのだった。




……千冬が、追い払ってくれた…?









「……はあぁぁぁぁぁぁぁ…怖かったぁ…」









ドッと体から力が抜け、
私の口から弱々しい震えた声が漏れた。


私は崩れるようにその場に
膝を抱えて座り込んでしまった。


まだ微かに体が震えてる気がする。


震えを止めようと両腕を強く握る。




そんな私の前に千冬もしゃがみ込む。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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