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「千冬。ありがと」




「…おう」









正直、色々と思う部分はある。


Aの話を聞く限り
変人なイメージはついているし、

俺よりも歳上の不良がどんな奴なのかとか。


…いや、断じて 別にビビってるわけじゃない。




でも、Aが俺を頼って
こういう顔を見せられると 全部ぶっ飛んでく。


Aの為にどんな奴であろうと

コイツが嫌がってるからやめろって俺が言ってやる。


…………俺の為にもなるしな。









 














 




千冬に相談して翌日。

学校に登校し、教室で話していたちーちゃんに
何だかご機嫌だねと言われた私。

そんなちーちゃんに私は声を上げた。









「今日こそ打倒!」




「だ、打倒…?というか、何と戦ってるの…」




「三ツ谷先輩に決まってるじゃん!!」









意味が分からないという顔をするちーちゃんに
私は説明。


学校の違う幼馴染が来て
三ツ谷先輩と話してくれる事を。









「え"…それ、ほんと?というか、頼んだの?」




「ううん。頼んではないよ。
私も最初は反対したんだけど…
よく考えれば私じゃ先輩と話が通じないから
助かるなって思って」









千冬が言ってくれれば何かが変わる。


そう思って安心から
今日の私は機嫌が良かった。


千冬がガツンと言ってくれる………はず?









「三ツ谷先輩、
ただAの事が好きなだけだと思うけど」




「だから、そんな事あり得ないって。
直接話したのもこの前が初めてだったし…」




「ほら、一目惚れっていうのもあるでしょ」




「私にはよく分かんないかな…」









あるある!絶対!

なんて話すちーちゃんは何だか楽しそう。

まあ、この子 恋バナ大好き人間だからな。


千冬と2人が話していたら
きっと盛り上がってるんだろうなと密かに思っていた。









「Aちゃんが男の人信じられないのも分かるけど…」




「三ツ谷先輩は信じられる人、でしょ?
ちーちゃんが好きだった人だし
悪い人ではないっていうのは分かるよ」




「…何だか喜べない基準だなぁ、それ」









でも興味がない。そういう話には。


というのが私の本音。


何が理由であっても付き纏われるのは迷惑だし
私の嫌いだという発言も無視して楽しそうに笑う。


そんな男を信頼できるわけがない。
…しようとも思わないけど。









「…!まって!私思った!」




「何が?」




「実はAちゃん。気になる人が既にいるって事!!?」




「…は?」




「絶対そう!
三ツ谷先輩に全く見向きもしないし
揺らがないって事は、それしかない!」









断言したちーちゃんに
思わず私は口を開けて固まった。


いやいやいや待て待て待て!何でそうなる!!?

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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