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「だから、嫌いって言われて喜ぶ
男の心境が分かる本探してたの」




「"だから"で話を完結させんな。意味分かんねぇよ」




「分かってよ。
私も意味分からないから説明しようがない!」









嫌いって言われて喜ぶ男がいる?

まずそこが信じられないというか考えられない


普通へこむだろ…つーか、
言い寄ってくるような好意丸出しな男なら尚更。


ドMか変人か…

どうやら、趣味の悪い男にコイツは好かれたらしい。









「怖いじゃなくて嫌いだから安心したって。
不良の先輩だから、怖がられるのが
当然だったみたいな事言われた」




「は?そいつ、不良なの?」









あれ?言ってなかったっけ

というコイツはあまりにも呑気な言葉を口にした。




聞いてねーよ…つーか、不良の先輩。




益々思った。

趣味の悪い男に好かれちまったんだと。




コイツに目ェつけんのは
俺だけだと思ってたのにな。


まあコイツ、顔は悪くねーからな。
変な野郎が目をつけるのは当然…

っっってか!!俺は顔でコイツ選んでねーし。


何 目ェつけられてんだよ、バカA。









「迷惑とか嫌いとか言っても喜ばれるし、
正直もう対処のしようがないというか…」





 

ため息のつくA。

本気で参ってるなとその様子から窺える。









「千冬と同じ学校に行けばなって後悔してる最中」









だから言ったじゃねーか

という言葉は心に留めておく。









「…分かった。オマエが何言っても無駄だってんなら
オレが言ってやる。その先輩野郎に」




「っ、え?どういう、意味?」




「だァから!
オレがオマエの学校に乗り込んで、
先輩野郎に直々に言ってやるって言ってんの」









明らかに驚いてる顔を見せるAに俺は笑ってみせる。


俺の顔をジッと見つめるAは
驚いた顔を戻すと少しだけ眉を寄せる。









「…千冬、学校違うじゃん。
乗り込むのはマズくない?
変に目立つの嫌だよ?巻き込まないで」




「っ、巻き込むなって!
オレに相談してきてオレを巻き込んでるのは
どこの誰だよ」




「ワ、ワタシデス……」




「このままじゃ埒があかねぇだろ。
部屋占領されて、愚痴聞かされるこっちの身にもなれ」




「モ、モウシワケナイトオモッテマス」




「それに、学校違ぇから
オレの先輩じゃねーし。
オレなら言いたい放題言えんだろ」




「…ねぇ千冬、私の先輩ではあるんだよ?
あんまり言いすぎないでね、お願いだから」




「言ってる場合か。
付き纏われて迷惑してんだろ?
早く解決すんのに問題はねぇよ」









何だかんだ色々と言ったAだが
最後には俺の案に少しだけ
安堵の表情を浮かべた。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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