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バンッ









「千冬!」









自分の部屋ではない扉を思い切り開ける。

すると、その部屋には
胡座をかいて本を読んでいた幼馴染がいて、
驚いたようにこちらを見ていた。









「っ、おい…もっと静かに入って来れねぇの?」




「あれ…千冬がもういる?」









千冬。部屋にいた幼馴染の彼の姿に私は驚いた。

…いや、ここは千冬の部屋で間違いはないのだが。




彼はいつも、"場地くん"と呼ばれる人と
一緒に帰っているらしい。

らしいというのは私が直接見たわけじゃなくて
千冬から聞いた話だから。


2人は寄り道 又は学校に居残っているのか、
学校が遠い私よりも帰ってくるのが遅い。


だから何かあれば
私が先に千冬の部屋にお邪魔しているわけで…

それなのに、今日は千冬の方が早いなんて。









「いるだろ。ここ、オレん家。
つーか、事前に連絡してきたのはオマエだろ?









確かにそれはそうなんだけども。


彼の帰りが自分よりも遅いのを知ってるからこそ、
部屋に千冬がいた事に私は驚いていたのだ。









「…千冬、もしかして
その為に早く帰ってきてくれたの?やっさしぃね〜」




「うっせ」




「ふふっ、ありがと」









ムスッとして、読んでいた本を閉じた
千冬を揶揄うようにして
私は笑いながらその場に腰を下ろした。


なんだかんだ、優しい彼は心配してくれたんだろう。


ほんと、頼りになる幼馴染を持ったな。


…………たまにちょっとアレな部分もあるけど。









「で?どうした?
珍しいな。一々話したいって連絡寄越して来るなんて。
いつもなら勝手にオレの部屋にいんだろ」




「でも連絡しておかないと
最悪 千冬が帰ってこない場合もあるし…」




「…何だよ。そんなに
聞いてもらいてぇ話でもあったのか?」




「あった あった!大アリ!!」




「ちょ、落ち着けよ…」









食い気味で言った私に千冬は少し落ち着けと言った。


これが落ち着いていられるか!


とんでもない事をしてくれちゃったんだよ!!?
私の友達!!










「あのね。千冬が手伝ってくれた例の件…
ちーちゃんがついに言ったの」




「…ああ。
オマエの友達が先輩を好きってやつか。
そういや、今日告るって言ってたな」




「うん」








千冬に頷いた私。


例の件というのは、友達のちーちゃんから受けた
恋愛相談を千冬にそのまま伝えた事。

どうして伝えたのか…それは、適任だと思ったから。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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