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「……千冬。もしかして理由分かるの!?」









突然の大きな反応。


もしかしたら、先輩がたくさん話しかけてくる理由を
千冬なら分かったのかもしれない。


そう思って体を前のめりにして千冬に尋ねてみる。









「いや……知るわけねぇだろ。他人だし」




「絶対分かった反応でしょ今の!
それに!同じ男でしょ!何となく理由分かる筈」




「男だからって一括りにすんな!
分かんねぇもんは分かんねぇんだよ」









強く言い返されてしまい、これ以上は何も言えなかった


"そっか"と呟いた私に千冬が小さく"ごめん"と言う。


こうして聞いてもらうだけでもかなり助かっている。


分からないのは仕方がないし左程気にしてもいない。









「……迷惑なら迷惑って直接ソイツに言えよ。
言わねぇままだと、調子に乗られんぞ」




「簡単に言えたら苦労しないよ。

…冷たくはあしらってるから
このまま勝手に離れてってくれるのが
一番の理想だなー…ねぇ〜、ペケJ?」









部屋の隅で寝ていた黒いペケJは
ニャーと小さくないて私の手に擦り寄ってくる


気紛れな猫は少し撫でられて
またそのまま眠りについてしまった。









「今はまだ話しかけられてるだけなんだな」




「まだって…私にとっては
話しかけられる事自体 すごく嫌なんだけども」









話しかける以外に
何かされていないだけマシだと千冬は言った。


確かに…マシ…じゃないけど、
マシなのかも…と、一人で私は葛藤。


そして、









「本気で何かされたら、すぐに言えよ?」









真剣な表情と声色で千冬はそう言った。


そんな千冬を数秒間私は見つめた後
あの頃を思い出しながら薄く笑った。









「…うん。ありがとう」









思い出したくないあの頃。


あの頃…

もう、千冬にあんな事はさせたくはない。


上手くあしらえるように頑張らなくては。









 









 




次の日。

千冬に相談した内容をそのまま友達に話していた。


よく考えれば、やっぱり千冬は
その理由に気付いていたかもしれない。

でも教えてくれないし…
他の人なら分かるのかなと思った。









「ねーえ、ちーちゃん?
ちーちゃんの想い人さんが
最近妙に私に絡んでくるのは何なんでしょう」




「うわ、想い人とかやめて?
もう振られてるしそういう感情ないから」









1日休んだあの日、次の日のちーちゃんは
無事に吹っ切れたようでAは安心した。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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