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「あ、あの!来て頂いて、ありがとうございます…」




「おう………というか、どーした?そんな畏まって」









夕焼け色に染められる、放課後の屋上。


友達の"ちーちゃん"は同じ手芸部である
1個上の"三ツ谷先輩"を屋上に呼び出していた。


そんな彼女を見守ろうと、
こっそりと扉の隙間から覗く私。


頑張れ、と気持ちを込めて……




ちーちゃんから恋愛相談をされた時は
驚いたし面倒だなとか思ってたけど、

今日の日の為に私はちーちゃんに色々協力した


と言っても、恋愛とか
上手くアドバイスが出来ない私は
少女漫画等の知識が豊富な
幼馴染の"千冬"にも相談して助けてもらっていた。


休み時間はバンバン話せ、
一緒に登下校…いや、せめて下校だけでも…

引くより押すべし……

そして、何と言っても屋上での告白…
これは絶対に完璧なシチュエーション…………らしい?




まあ、こんな感じで

ほとんど、千冬からの話を
そのままちーちゃんに伝えているから、
私が協力したとは言えないかも知れない。


でも私は大好きな友達の恋を応援したいのだ。









「(がんばれーっ、ちーちゃん!!)」









 




「三ツ谷先輩…
今日は、お話ししたい事がありまして…」




「…おう。どうした?」




「み、みつ、三ツ谷先輩がっ……す、すきですっ」









言ったァァァぁ!ついに!言った!!




ちーちゃんの告白に自分まで
緊張してしまい、汗と震えが止まらない。


そんな中、三ツ谷先輩の方を見てみると
ただただ、顔を赤くするちーちゃんを
優しい目で見つめていた。









「……高橋さん、オレ______」




「_____って事らしいんです!」




「……ん?」




「私の友達が!!」









 




「「______は?」」









三ツ谷先輩と扉越しにいる
私の小さな声が思わずハモる。


いやいやいや、どう言う意味、それ…?


三ツ谷先輩も困ってるって!








「だから、その……私の友達の"Aちゃん"が
三ツ谷先輩の事好きらしいんです!」









 









ドサッ









思わず私は口を半開きして
私の肩にかけていた鞄が音を立ててその場に落ちた。


その音に気付き、
三ツ谷先輩とちーちゃんが屋上の扉の方を見る。


ちーちゃんは"やば"と言う顔をして、
三ツ谷先輩に関しては"誰がいるのか"という
疑問の目をしている。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月11日 0時

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