検索窓
今日:5 hit、昨日:15 hit、合計:56,186 hit

191.似た2人 ページ47






「まぁ決めるのは君だ。考えてやるといい」




「はい…」




「とりあえず折角だ。
一年達に顔を出してやれ。釘崎も伏黒も気にしてたぞ」









この間の電話で伏黒に心配をかけてしまったのだろうか。釘崎達も側にいたようだし、伏黒から話は聞いているはず。

…顔くらい、見せに行ってみようか。









 









 









「やっ、A」









…と思って医務室から出てみれば、タイミングが良いのか悪いのか。目の前を歩いてきた五条に捕まってしまった。


そういえばその人も任務とかで海外に行ってたんだっけ。…にしては帰ってくるの早くない?









「ねーぇ、なんでそんなに嫌そうな顔するの?
僕傷ついちゃうな」




「嫌そうな顔、してますか?」




「うん。すっごい顔してる」




「疲れてるからだと思います。
今はちょっと先生のテンションにはついていけなくて」









テンションの高い五条を目の前に、今は少し…本当にほんの少しだけ嫌だと思ってしまった。それが顔に出てしまったのだろうか。残念ながら今のAにはハイテンションな五条と会話する元気さは無い。









「……お疲れ。よく頑張ったね」









五条の表情が柔らかいものに変わる。そのまま手を伸ばした五条はAの頭に優しく手を乗せた。









「キミは、悠仁を守りきれたじゃないか」




「………それは、どうでしょうか。結局のところ、
今回も私は悠仁に守られてたような気がします」









守ったという自信のないA。その言葉は虎杖が七海に言った言葉と少し似ていた。"自分は助けていない"と。









「…悠仁に全部話したみたいだね」




「…恵みたいに、悠仁も私を受け入れてくれました」









2人とも自分の事を"人"だと
真っ直ぐな言葉をぶつけてくれた。

虎杖と伏黒。2人はどこか違うのに似ているように見えた。









「猫が私だと知っても幻滅せずに、
むしろ私で良かったなんて言ってくれて…」









変だなとさえ思った。









「善人すぎる彼を、私はやっぱり守りたいって
改めて思って…」









何かを決めたような、
強い覚悟の目が五条に向く。









「先生。私は、悠仁の"式神"として彼を守ります。
守っていきます。今回のことを得て、そう 決めました」









呪いじゃない、人だとそう言ってくれた彼。
でも守るには人のままじゃいられない。
けどそれでも良い。だからこそ、式神に徹底したい。


虎杖の隣に立つ時は、"式神の白神A"でありたい。

192.こびりつく→←190.心情の共有



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
298人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 伏黒恵 , 虎杖悠仁
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月5日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。