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180.猫の正体 ページ36






「A!頑張ってくれ!
順平を治して、オマエもっ、助ける!から!

____ッ!!宿儺……宿儺ァ!!!」




「_____なんだ?」









話しかけたのは宿儺。


虎杖の目下に口が開き、宿儺が返事をする。その様子に真人が目を向けた。









「なんでもする!!俺のことは好きにしていい!!
だから俺の心臓を治した時みたいに、順平を治してくれ!!」




「断る」









だが、虎杖の必死の叫びは呆気なく断られた。
宿儺は楽しげに笑っているだけ。









「愉快愉快。
矜持も未来も!!おまえの全てを捧げて!!
俺に寄り縋ろうと何も救えないとは!!
惨めだなぁ!!!この上なく惨めだぞ!!小僧!!!」









笑っている宿儺を見て、真人も口角が上がっていく。左手に掴んでいる猫を止めだと言わんばかりに思い切り床に叩き落とす。

真人の手が離れ、ぐったりとする猫。

するとその猫の姿がみるみるうちに変わっていった。




その姿は…_____人。









「_____白神?」









猫が倒れていたそこは、猫の姿が消えて 同じ場所に、同級生の姿が倒れていた。


傷だらけで血を流し、目を閉じて倒れるA。









「へぇ……力尽きるとその姿になるんだ。
って事はそっちが本来の姿って感じ?
俺の予想は、猫の方だと思ったけど。
それとも虎杖悠仁がいるから
あえて人間の姿でいたいって事?」




「ケヒッ、ヒヒッ。
小僧、ようやく気付いたか?
ソイツは人でも呪いにもなりきれない、マガイモノだ」









猫…猫の正体はAで、Aの正体は猫で…
全て知っていた宿儺と何故か真人まで。


目の前の吉野、離れたところで倒れるA。

その場の2人の存在に、心が追いつかない。









「クッ」




「「ゲラゲラゲラゲラ」」









宿儺と真人、呪い2体の笑い声だけがそこに響く。その場に立つのは虎杖ただ1人。









「(…あぁ、そうか。コイツらは…
どこまでいっても、"呪い"なんだ)」









チラリと横目でAを見る。
宿儺の言った、人でも呪いでもないマガイモノという言葉。









「(……違ぇよ。
Aは…白神は、呪いのコイツらと一緒何かじゃねぇ)」









「ゆ…うじ…」









その時、虎杖のズボンを掴む吉野がいた。涙ぐむ瞳を向けて、そこにいた。










「な…んで?」









その言葉を最後に吉野の手は落ちていき、力尽きた様に倒れた。









「あっ もう死んだ?
ちょっと乱暴に形変えたからね。こんなもんかな」









笑い疲れた真人が倒れた吉野を見ていった。


その後、









「…ッ」









倒れていたAが息を吐きながら、必死に体を起こしていた。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2023年2月5日 0時

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