【呪術廻戦】マガイモノの呪術師３ (ページ32)

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176.吉野順平ページ32

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帳のかかった里桜高校。
その中に虎杖はすんなりと入る事が出来た。
ある気配を感じ、体育館に迷いなく向かう。
虎杖は扉を開けた瞬間に息を飲んだ。

床に倒れる大勢の生徒や教員…
そして、ステージ上に立つ吉野順平と
彼の前で苦しそうに浮かぶボロボロの男子生徒

状況は、最悪_____

それからは早かった。

虎杖と吉野順平の間に会話の余地もなく、
2人は当然戦う事になっていた。

「_____澱月」

学校内を走ったり飛んだりと動き回る2人。虎杖の逕庭拳を吉野は自身のクラゲの式神を出して受ける。

「(クラゲの式神!!中に入られると打撃が効かない!?)」

クラゲは守る様に吉野を囲う。いつ、誰に、何処でそんな式神を貰ったのか。

「もう一度言う。引っ込んでろよ!!呪術師!!
関係ないだろ!!」

「それはオマエが!!決めることじゃねぇ!!」

「無闇な救済に、なんの意味があるんだ…
命の価値を、履き違えるな!!」

虎杖の青光りする拳。そして吉野の後ろから伸びるクラゲの触手。あっという間に、虎杖はクラゲに飲まれていた。

「霊長ぶっている人間の感情…心は!!
全て魂の代謝!!まやかしだ!!
まやかしで作ったルールで僕を縛るな。

奪える命を奪うことを止める権利は誰にもない

そこで寝ててよ。僕には戻ってやる事がある」

吉野の術式は"毒"。呪力から精製した毒を式神"澱月"の触手から分泌する。

それは全て、"真人"という人物が吉野に教えた事。与えたもの。

才能があると言ってくれた、
彼にとって信頼している呪い_____

「_____誰に言い訳してんだよ」

澱月の触手に包まれた虎杖。包まれて今や姿も見えない。そんな中から出てきた腕は、吉野の首根っこを掴んだ。

そのまま虎杖が吉野を殴ろうとすると、澱月は虎杖から離れて吉野を守ろうとその間に入る。

体勢を崩したものの、虎杖は連続で澱月を殴りにかかる。一発、二発、更に足も使って。

澱月の触手を一度後ろに飛んで避けた虎杖。改めて助走をつけて拳を振り翳すと、その勢いで澱月と共に吉野は窓を突き破って下に落ちた。
着地の瞬間は澱月がクッションになってくれたお陰で怪我はしてない。

「(なんで…!? 澱月の毒が効かない!?
なんで、邪魔をする!!なんで…なんで…なんで!!)」

吉野は怒りに満ちる。吉野が手を合わせると、後ろにいる澱月の触手の先から、鋭い針が出る。

上を見上げれば、続けてこちらに落ちてくる虎杖の姿。

「(空中!!身動きが取れない!!否!!潰すなら…着地寸前)」

それを狙って澱月の触手が落ちてくる虎杖に伸びる。

その瞬間、虎杖は両手の拳を青光りにさせるとそのまま地面に拳を落とした。その反動で触手は虎杖に当たる事はなく引いていく。