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16.呪術高専 ページ16






「不合格!」




「1週間の間、ここにいる事は許可する。
そして1週間後、また面談を行う」




「だがその面談時、
今日と同じようなら、君は…_____不合格だ」









身体中がヒリヒリと痛みを上げる中、
先程の言葉が頭に過ぎる。


数時間前、新幹線に揺られ東京に着いた。


そしてAは五条と共に
東京都立呪術高等専門学校の門を潜る。


学校に着くなりにまずは面談があるとか言った
五条に、夜蛾正道というサングラスをかけた
この学校の学長を紹介された。


彼は呪骸という…
所謂、人形に呪いを込めたものを創っていた。




Aは面談時、その呪骸に
何度も何度も殴られたり蹴られたりした。


生き物の本心を引き出すには
これは大事な事だとか言って。


だから、抵抗もできたけどあえて抵抗はしなかった。


それと、何故ここに来たかの問いに
目的もなかったAは
ただただ、五条に連れてこられたと口にしただけ。


それでは不合格になってしまうのも無理もない









「まあ、そんな落ち込まないでよ」




「別に落ち込んでませんけど」




「あの人は脳筋だからさ、あれが通常運転なの」









どこに向かっているのかは分からない、
Aは五条の後を歩き着いて行っていた。




1週間の猶予を与えた学長の判断はかなり珍しい事だ。


けれど、そうされなくては困る。


Aは何が何でもここに…
高専にいてもらはなくては困るから。


五条は心の中でそう思っていた。









「ま、僕が保証するよ。
君は1週間後、必ずここにいたい理由が見つかるって」









そもそも、五条がここに連れてこようと
言ってきた事を考えるに、
Aが高専にいるのに
面談などあるとは思えなかった。


面談を受けさせられ、挙句不合格…
全て、五条というこの男が
勝手に連れてきたのではないかと考える。




五条の後を歩き続け、
とある建物に入った時にAは足を止めた。


そんなAを五条は顔を振り返らせて様子を見た。









「……貴方は、私をここに
置かせたいみたいですけど、他の人は違います」




「……」




「私、帰ります……仙台に。
ここにいなくちゃ行けない理由なんてものは
私にはないので」









いかにも怪しい、この男は
別に悪い人ではないのだと
昨日今日ではあるが、話していて分かった。


高専に連れて行くと言ったのも、
結局は保護のようなもので

自分を殺さないと言ったのも、
結局はただの同情。


気を遣わなくても良いのに。

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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月21日 15時

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