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90.痛む頬の傷 ページ43

「(…え、神崎さんってあんな顔するんだ)」




「(待って…神崎さん、可愛くない?
というか今…)」




「「デートって言った!!?」」









その場に立ち尽くして2人は
神崎と千冬の背中をジッと見つめていた。









 



















 









千冬に手を繋がれたまましばらく歩き続けると
大きな木がある場所でようやく足を止めた。


その大きな木というのは"もみの木"で

恐らくこの木には
昨日までなら飾り付けがされていた…
所謂クリスマスツリーだったんだろう。


手を離されて、背を向けていた千冬が
クルリとこちらを振り返り、
また神崎の頬の傷を優しく撫でた。









「…オレがいれば、
おまえに怪我させなかったよな…」




「ほんと、大丈夫だよ…
それに、私が勝手にしたことで…」









神崎の傷を悲しそうに見つめる千冬が
どうも責任を感じてるようで、神崎は答える。


決して意図してやったわけではない…
ただ、体が勝手に動いてしまった。


もう神崎を縛るモノは何もないのに、
母とも和解をしたのに。









「ごめんね」




「…何で?」




「気付いたら、体が勝手に……
…私はやっぱり、男っぽいのかなって…」









顔を俯かせながらポツリと出た神崎の言葉。


千冬は神崎の頬から手を離すと、
俯く彼女の手を両手で包むように握った。


反射的に、その行動に対して顔を上げた神崎。


その瞬間、唇に柔らかいものが触れて
それはまたすぐに離れていった。


千冬の頬は少し赤くて、キスされたのだと分かる。









「……千冬?」




「それ以上またそう言うこと言うんなら、
さっきよりも深いので口塞ぐから」




「ッ、な!!?」









一気に顔が真っ赤になる。


でも千冬は神崎のそんな顔を見て
楽しんでる雰囲気はなく、
真剣そのものの顔をしていた。


いつもならこういう時、
楽しそうに笑っている…あの千冬が。


それは兎も角、今は外。


そもそも先程のキスだって
周りからは見られていたわけで、

あれよりも深いのと言われて想像したら
それはまずいと神崎は判断した。









「A自身が何と言おうと、
オレはおまえの事
スゲェ可愛いと思ってんだけど」




「ッ」




「何なら、言葉にして言ってやってもい____」




「ち、千冬!分かった、分かったから!!」









次に千冬に何か言われたら
大変なことになる気がした。

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結祈華(プロフ) - あすか。さん» ありがとうございます!!えっ、これからもついてきて頂けるなんて…優しすぎません!!?嬉しすぎます…!!改めまして、読んで下さりありがとうございました!! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» ありがとうございます!!そうなんです。最初は更新ゆっくりだったのですが、そろそろ完結させたいなと思ったり…構想の方がパッと思い付いたので一気に更新してしまいました()こちらこそ、読んで頂きましてありがとうございました!!!!他のも頑張らせて頂きます! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
あすか。 - 完結おめでとうございます!!!これからも結祈華さんについていきます!! (2021年10月6日 21時) (レス) @page50 id: 6ad43bcb41 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 完結おめでとうございます…!私が見た時はあまり更新されていない?作品みたいだったので(多分)、更新されてしかも書くペースが速くてものすごく嬉しかったです(ToT)素敵な作品ありがとうございました!他のも楽しみに読ませて頂きます!!! (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» わ、わ、どっちの作品も読んで頂けて嬉しい限りです!グダグダな部分多かったのですが、そう仰って頂けて私も泣きます()ゆっくりですが完結まで頑張らせて頂きますのでお付き合い、宜しくお願い致します! (2021年10月2日 23時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年8月18日 23時

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