74.かさなった気持ち ページ27
「おまえが抱きついて来たんだろ?」
「そ、うだけど…でも、あの_____」
「スゲー、嬉しい」
千冬のその声色から、
本当に嬉しいんだと伝わってくる。
「オレも、大好き」
千冬のその言葉は 神崎の耳元で言われて
甘い毒のように体中を駆け巡る。
心臓が煩く鳴りだして、苦しいはずなのに
その苦しさは心地よいものに変わる。
…ただ、ずっと抱きっぱなしで
背伸びしていた神崎の足が疲れて来た。
離れようと腕を緩めるも、
千冬が離してくれる気配なし。
「…千冬サン、
あの…そろそろ離して頂けると」
「絶ッ対ェ 嫌だ」
「いや、あの…足、が…」
「…はっ、疲れてきたよな」
「ッ、え?知ってたの_____わっ!!?」
背伸びしていた事、
その足が疲れ始めている事を
千冬は気付いていた。
神崎を抱きしめたまま、
千冬は彼女をヒョイっと抱っこする。
ついていた足が浮いて、
その浮遊感に、千冬にしがみつく神崎。
千冬は上に腕を伸ばし、
自分の中にいる神崎を見上げた。
神崎は千冬の顔を見下ろす状態で
嬉しそうに微笑む千冬の顔をやっと見れた。
「背伸びしてオレに抱きついてくるなんて
スッゲー 可愛い」
「〜ッ」
今の自分は、きっと顔が赤いだろう…
なんて考えていても逃げ場は無い。
"顔赤いな"なんて、千冬に笑われた後
千冬は神崎を下ろした。
恥ずかしくて、神崎がフイッと顔を背けるが
追いかけるように千冬が覗き込んできて
逃げ場なんてどこにも無かった。
「…色々、ごめんね」
「!」
「千冬には、迷惑ばっかりかけてた…」
「……そうだな、
流石に"大っ嫌い"は応えた」
「ッ、ゴメ______」
「でもオレ、怒ってねぇよ」
「!何、で…」
「むしろ、今のA
スッキリした顔してるし…嬉しい!!」
真っ直ぐに、心の底から嬉しそうに笑って
…そんな、笑っている千冬が好きなんだと
神崎は気づく。
「…お母さんと、話したの」
「会った、のか?」
「うん…少し前にね
…女の子らしく生きて、そう…言ってくれた」
「…そうか」
「それとね、お母さん
千冬に感謝してるって」
「はぁ!?オレ、殴っちまったのに、か…?」
感謝される事なんて何もない、
千冬は考える素振りを見せて
神崎は困惑する千冬を見て笑った。
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結祈華(プロフ) - あすか。さん» ありがとうございます!!えっ、これからもついてきて頂けるなんて…優しすぎません!!?嬉しすぎます…!!改めまして、読んで下さりありがとうございました!! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» ありがとうございます!!そうなんです。最初は更新ゆっくりだったのですが、そろそろ完結させたいなと思ったり…構想の方がパッと思い付いたので一気に更新してしまいました()こちらこそ、読んで頂きましてありがとうございました!!!!他のも頑張らせて頂きます! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
あすか。 - 完結おめでとうございます!!!これからも結祈華さんについていきます!! (2021年10月6日 21時) (レス) @page50 id: 6ad43bcb41 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 完結おめでとうございます…!私が見た時はあまり更新されていない?作品みたいだったので(多分)、更新されてしかも書くペースが速くてものすごく嬉しかったです(ToT)素敵な作品ありがとうございました!他のも楽しみに読ませて頂きます!!! (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» わ、わ、どっちの作品も読んで頂けて嬉しい限りです!グダグダな部分多かったのですが、そう仰って頂けて私も泣きます()ゆっくりですが完結まで頑張らせて頂きますのでお付き合い、宜しくお願い致します! (2021年10月2日 23時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年8月18日 23時