73.本当の気持ちをキミ伝えよう ページ26
目の前に神崎がいる、
千冬はその事実に嬉しく思った。
学校にも来なく、自宅から施設に移って
会う手段も連絡する手段もなくて
どう会えないんじゃないかと思った。
だから、会えただけで嬉しかった。
疲れきって、傷だらけの体は
神崎を見ただけで回復するように思えた。
「(…スカート履いてる…可愛いじゃん)」
女の子らしい格好をする神崎を見て、
少しは前に進めたのかと思ったら
ますます嬉しく思った。
一方、困ったような…でも優しく微笑んだ千冬
そんな彼の姿は身体中に傷があって
ボロボロの姿。
神崎はそれを見て、自分の中で感じていた
嫌な予感の正体はこれだったのかと考える。
まず初めに、謝らなくてはいけない…
でも、そんな言葉はどこかに消えて
苦しくなっていた。
…ヒナと同じく、泣いてしまいそう…
唇を噛んで泣くのを堪えると
神崎は千冬に歩み寄った。
何も言わずに、ただジッとこちらを見て
歩んでくる神崎に 千冬は首を傾げた。
千冬の方に歩む神崎、
2人の距離はどんどん近づいて_____
「(え_____)」
神崎は少し背伸びをして
千冬の首に腕を回すと、彼を抱き締めた。
神崎に抱き締められていて、
頭がパニック状態の千冬。
「(…は?…オレ、今 どういう状況?
Aに、抱きつかれてる……は?)」
体が冷たい筈の神崎、
でも、千冬の体は熱くなっていく。
神崎の匂いと温もりが自分の体を包んでる、
なんて、変なことを考えてしまう
そんな心を振り払って
平常心を保つ事に必死な千冬。
「…A?今、オレ…どういう状況_____」
「大っ嫌い……訂正していい?」
「は________?」
「大好き、千冬」
千冬は思考が停止した。
神崎はというと、
今の自分の顔なんか見られたくなくて
千冬を抱きしめたまま口にした。
最初は"ごめんね"って言おうとしたものの
口から出た言葉は違くて、
神崎自身驚いたが、
一番伝えたい事を伝えられた。
「……」
「…………」
「……ッ、ちょっと待って、ちふ_____」
「嫌だ」
…確かに、抱きついたのは自分から。
それでも今の状況は 何だか恥ずかしかった。
千冬が、神崎の後ろに腕を回して
強く抱きしめたのだ。
千冬に抱きしめ返されるなんて思ってなくて
今度は神崎がパニックになった。
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結祈華(プロフ) - あすか。さん» ありがとうございます!!えっ、これからもついてきて頂けるなんて…優しすぎません!!?嬉しすぎます…!!改めまして、読んで下さりありがとうございました!! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» ありがとうございます!!そうなんです。最初は更新ゆっくりだったのですが、そろそろ完結させたいなと思ったり…構想の方がパッと思い付いたので一気に更新してしまいました()こちらこそ、読んで頂きましてありがとうございました!!!!他のも頑張らせて頂きます! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
あすか。 - 完結おめでとうございます!!!これからも結祈華さんについていきます!! (2021年10月6日 21時) (レス) @page50 id: 6ad43bcb41 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 完結おめでとうございます…!私が見た時はあまり更新されていない?作品みたいだったので(多分)、更新されてしかも書くペースが速くてものすごく嬉しかったです(ToT)素敵な作品ありがとうございました!他のも楽しみに読ませて頂きます!!! (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» わ、わ、どっちの作品も読んで頂けて嬉しい限りです!グダグダな部分多かったのですが、そう仰って頂けて私も泣きます()ゆっくりですが完結まで頑張らせて頂きますのでお付き合い、宜しくお願い致します! (2021年10月2日 23時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年8月18日 23時