男勝りなあいつの"女"を見た瞬間２【松野千冬】

70.似た者同士 ページ23

「あ、すみません…邪魔しちゃいました…？
真剣にお祈りしていたみたいだったので…」




「いえ、大丈夫ですよ」









微笑む女の子につられるように神崎も笑う。


女の子は神崎の隣に来て、傘をその場に置くと
真剣に手を合わせる。


しばらく隣で見つめていると
顔を上げて、真っ直ぐに前を見ていた。









「…あなたも、真剣にお祈りしてましたね」




「ッ、え？」




「お揃い、ですね!!」




「…ですね！」









　









　









　









　









　









「クリスマスに神社でお祈りする奴いる？」









突然、背後から声が聞こえて
女の子も神崎も、同時にビクッと振り向いた。


するとそこには、









「「エマちゃん!?………え？」」




「あはは！ハモった！ウケる!!」









マイキーの妹であるエマが
傘をさして立っていた。


女の子と声がハモり、更に
同じ名前を呼んだことで顔を合わせる2人。









「やっぱ、ヒナとAか！」









　









・









　









彼女の名前は "橘日向"、
神崎もお互いに自己紹介をして

神社の隅にあったベンチに3人は座った。


エマはどうやら、上の兄の影響から
クリスマスに毎年神社でお祈りしているらしく
今日、ここに来たらしい。


当然、ヒナも毎年お祈りに来ているとか。


来年から自分もそうしようかな、なんて
小さく呟いてみれば

2人の彼女達は
笑顔で"一緒にお祈りしよう"なんて誘われた。


女の子と、こんな会話はしたことなくて
神崎はとても嬉しかった。


どうしてお祈りしていたのか、
エマは尋ねた。









「…なるほどねー
アンタの親が出てきたかー

それはタケミっち的にはしんどいね…」









ヒナと付き合っていた花垣という彼は
昨日の24日、別れようとヒナを振った。


けれど、その裏で
ヒナの父親が関与していたらしい。









「でも、親に言われたからって…」









俯くヒナと、気に入らなさそうに怒るエマ

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