検索窓
今日:13 hit、昨日:38 hit、合計:160,015 hit

62.変わらない態度 ページ15

歩こうとした千冬がふと
動かない神崎をチラッと見る。


笑みを浮かべた千冬は
そのまま神崎の方へ歩いて行き、
神崎の手を握った。


千冬に引かれるまま、神崎は歩く。









「わっ、ちょ、千冬!?」




「早く行かねぇと遅刻するぞ」




「わ、分かった!
分かったからその…手、離そ?」




「ん?……嫌だ」




「は!?」




「ウソ嘘、ちゃんと歩けよ」









千冬の手が離れて行き、
神崎は千冬の隣に並んで歩く。


離して欲しいと言ったのは自分だが
離された手が少し寂しく感じた。


そして気づいたことがあって、
千冬の冷たい手から
彼が長い時間外で待っててくれたのを知った。


学校に行くと千冬に話してもいないし、
仮に学校に行かなければ
あのまま千冬はどうしたのか。


携帯の連絡先もお互いに知らないからこそ、
そんな連絡も取れない2人。









「今日の給食なんだったっけなー」




「……」




「あ!揚げパンか!珍しいよな!!」









何も話さない神崎の隣で
千冬は平凡な話を1人でしていた。


昨日のことには触れず、
彼なりに気を遣っていてくれているのだろう。









「…千冬」




「ん?どうした?」




「私、施設に行くことになったよ」









隣を歩いていた千冬が足を止めたので
神崎が少し前に出て足を止めた。


クルッと千冬の方を見た神崎、
すると、千冬は真っ直ぐに真剣な顔で
こちらを見ていて少し驚いた。









「どこ?」




「…え?」




「施設」









当然のように、施設の場所を聞いてくる彼。


なぜそんなことを聞いてくるのか、
神崎は戸惑った。


どうして聞くのか、
問う前に千冬の方が早く言葉を発していた。









「こうやって朝、迎えに行く」




「……いいよ、平気だよ、私」




「平気って顔してねぇんだよ」









心配してくれているのだろうか。


でも、神崎にとって
千冬の優しくて、それと同時に
彼に対して…_____苛つきを覚えた。









 



















 









 









「……もう、学校すぐそこだから。
前みたいに、学校では他人のふりしてね」




「ッ、オイ!」









一緒に歩き、学校が近づく頃
神崎は歩いていた千冬を止めて
先に歩いて行ってしまった。

63.その目で私を見ないで→←61.ひとりぼっち



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (284 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1079人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

結祈華(プロフ) - あすか。さん» ありがとうございます!!えっ、これからもついてきて頂けるなんて…優しすぎません!!?嬉しすぎます…!!改めまして、読んで下さりありがとうございました!! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» ありがとうございます!!そうなんです。最初は更新ゆっくりだったのですが、そろそろ完結させたいなと思ったり…構想の方がパッと思い付いたので一気に更新してしまいました()こちらこそ、読んで頂きましてありがとうございました!!!!他のも頑張らせて頂きます! (2021年10月7日 0時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
あすか。 - 完結おめでとうございます!!!これからも結祈華さんについていきます!! (2021年10月6日 21時) (レス) @page50 id: 6ad43bcb41 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 完結おめでとうございます…!私が見た時はあまり更新されていない?作品みたいだったので(多分)、更新されてしかも書くペースが速くてものすごく嬉しかったです(ToT)素敵な作品ありがとうございました!他のも楽しみに読ませて頂きます!!! (2021年10月6日 2時) (レス) @page50 id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - みーさん» わ、わ、どっちの作品も読んで頂けて嬉しい限りです!グダグダな部分多かったのですが、そう仰って頂けて私も泣きます()ゆっくりですが完結まで頑張らせて頂きますのでお付き合い、宜しくお願い致します! (2021年10月2日 23時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:結祈華 | 作成日時:2021年8月18日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。