それ、わたしじゃないです。【佐野万次郎】

rumor,41 ページ45

ふと顔を上げればそこは階段で、
丁度階段を上がってきた人物に
私は声をかけられた。


階段を上がってきた1人の女の子の
優しい笑顔を見れて…
私は思わず泣きたくなった。









「ぅぅ、唯さんん"ん"ん"ん"ッ」




「ふぇ？…Aさん…
わっ、ど、どうしたの!?」









階段で抱きついた私を
唯さんは優しく抱きしめ返してくれた。


階段で立つ唯さんは
バランスを崩しながらも体制を整えて、
私を突き放す事はしなかった。


…わ、待って…
私、唯さんに抱きついた？抱きついちゃった!?

お、恐れ多いことを…









「ご、ごめんね急に
抱きついたり…キモかったよね」




「え？…ううん、Aさんに抱きつかれて
嬉しかったよ!!」









申し訳ないと言う気持ちで唯さんから離れれば
唯さんは可愛いことを言ってきた。


うん、好きだ、大好きだ、女子の頂点









「明那さんに抱きついてたりしてるの見て
ちょっと羨ましかったんだ…」




「え？」




「Aさんに抱きつかれたかったの!!」









うわ、待って、何この可愛い子


普通 拒絶するよ、拒否するよ、私みたいな子…


それなのに抱きつかれたかった!?

男子に行ったらあんた、
どうなるか分かってる!?









「唯さん…
男子にそう言うこと言っちゃ駄目だよ」




「大丈夫、Aさんにしか言わないよ」









〜っ、可愛い!!朝から癒しをありがとう！









「所でAさん、さっき
泣きそうな顔してたけど…どうしたの？」




「……教室に入れないです」




「え？」









鍵なんか閉まってないはずなのに
どうしたのか…なんて顔をしている唯さん


コテっと首を横に傾けると
私を見てニコッと笑ってくれた。









「じゃあ、私の教室行こう！」




「え、唯さんのクラス？」




「うん!!Aさんにね、
色々お話ししたいことあるんだ」




「行かせて下さい!!!!」









断るなんて選択肢、わたしには無い。


唯さんから誘われた以上、
どんな用があったとしても、
私は唯さんのお誘いを優先いたします！

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