それ、わたしじゃないです。【佐野万次郎】 (ページ43)

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rumor,39 ページ43

どうやら明那は
佐野のその言葉で何かを察して

私が佐野と会ったんだって考えたみたい。

相当ウザい顔してたんだね、佐野は

だって、今の明那の嫌そうな顔…
過去最強ってくらいに顔が崩れてるもん。

「勝手に勝利宣言すなって感じ」

「……明那、ゴメン」

「え？」

「私さ、あいつと
完全に関係断つ事は出来ないや…」

「A…」

「確かに面倒な人だなって思うよ、
少し前までは関わりたくないと思ったし…

でも、たい焼き食べた時は
楽しかったんだ

私はいつも明那に付き合わせてばかりだけど

あいつは私みたいにたい焼きとか好きらしくて
…罪悪感みたいなものが無かった」

「私、付き合わされてるなんて
そんな事思った事ないよ？」

「知ってるよ、明那は優しいし…

でも、ね…同じものが好きで食べ合うのは
本当に楽しかったの」

だから、佐野とは友達みたいでいたいな…

申し訳なく言うと、
明那は悩むような顔で私を見た後に
困ったように笑った。

「私の方こそ、ゴメンね…」

「え？」

「佐野と関わるなーって、私のせいで
あんたを傷つけてた…
無理させようとしてた」

「違っ…だって明那は私の為に…」

「その"私の為"…分かってないでしょ？意味」

「…う、ん……
でも、佐野は分かったみたいだったよ？」

「あいつが分かったって
Aが分かんなきゃ意味ないよね」

…ごもっともな意見だ。

私は何度考えても、
明那がどうしてそう言うのか、
考えは全く分からない。

「いいよ、A
あいつと友達になっても」

「まさかの許可制!!」

「ただ、ね…約束して」

「…？」

「_____1人で決めちゃう前に、私に話して」

「…え？」

「苦しいとか痛いとか辛いとか…

何か気持ちの変化とかあったら
絶っっっっ対に!!私に直ぐ報告！
始めに報告すること！」

「え、あの…えっと……明那_____」

「返事」

「はいッ!!」

勢い余って返事をすれば
よろしいって言葉を返されて明那は笑った。

1人で決めちゃう前にって……
私、何を決めちゃうの？

明那の言葉の意味を
私はその日、ずっと考えていた。