108.強引な尋ね人 ページ46
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貴方「あの、誰です…か………ッ」
気持ち悪さで頭が回らなかったのか。
どうして家入さんが来ると、
当たり前に思っていたのか。
数秒前の自分を後悔した。
部屋の扉を少し開けてしまったAは、
ガッと扉を閉めようとした。
……家入ではなかったらどうする?
そんな考えが過ぎった。
けれど、一度 少しでも
扉を開けてしまった事実は変わらない。
扉の隙間から、誰かの足が挟まれたせいで
扉を閉めることがAは出来なかった。
貴方「あっ…」
上を向くことが出来ない。
その人物の顔を見ることが出来ない……______
「…オイ……何で閉めるんだよ…______A」
部屋を訪ねてきたのは、伏黒だった。
貴方「あ、え、…あ………」
伏黒に、こんな自分を見られたくなかった。
声が震え、上手く言葉を発せない。
貴方「ッ、め、ぐみ………何で ここに来たの…」
伏黒「何でって…俺が来ちゃ駄目なのか?」
貴方「駄目、だよ」
伏黒「何でだ?」
貴方「……汚いし、臭いから……」
嘔吐ばかりしている自分。
綺麗なわけがない。
………特に、伏黒にこんな姿を見せたくない。
貴方「だから……ッ」
Aは また吐き気がして、口を片手で押さえ
そのまま力が抜ける様に、
その場に座り込んでしまった。
伏黒は、Aが扉を押さえる力が緩んだ隙に
ガッと扉を開け、座り込むAに寄り添った。
貴方「…うっ」
伏黒「待ってろ」
伏黒は立ち上がると、
ベッドの側にあった桶を見つけ、
それを手にするとAの口元へ持って行った。
そのまま伏黒は Aの背中をさする。
貴方「はぁ、はぁ……ッ」
伏黒「……ごめんな」
貴方「…え?」
伏黒「俺のせいで、お前に"満開"を使わせた。
本来なら、お前が苦しむことなんてないのに…」
貴方「……気にしてないから…
それに、私が術式を使ったところで
全然 役に立たなかったし…
とりあえず恵、部屋を出てよ」
伏黒「……やだよ」
貴方「!な、なんで______」
伏黒「お前が苦しんでるのに、
何で離れなきゃいけないんだよ」
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結祈華(プロフ) - もんもさん» もんも様、ご指摘頂きまして、ありがとうございます。そちらの方、訂正させて頂きました。いつも読んで頂いてるとのこと、とても嬉しく思います!!ありがとうございます!これからも更新頑張っていきますので、引き続き、宜しくお願い致します! (2021年2月2日 23時) (レス) id: df4c614de9 (このIDを非表示/違反報告)
もんも(プロフ) - 92ページの真希さんのセリフが真衣さん表記になっていると思います…!いつも楽しみに読ませていただいてます!更新無理のないよう頑張ってください!! (2021年2月2日 17時) (レス) id: 8019cb9777 (このIDを非表示/違反報告)
ぬひ - 控えめに言ってすき (2021年1月28日 1時) (レス) id: 73e65e112f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年1月18日 1時