77.不穏 ページ20
〜no side 〜
伏黒「…今日は行かないんだな」
貴方「へ?」
伏黒「あ。昨日もか……」
交流会まで後 数日…
ラストスパートをかけるように、
ハードな特訓になっていたAたち。
今日は空は 雲行きが怪しかった。
けれど、そのおかげなのか
夏にしては気温があまり高くなく、
過ごしやすい気温だった。
休憩中、水を飲んでいると
隣に座った伏黒に話しかけられた。
伏黒「ここ最近、どこかに行ってただろ。
五条先生の都合とかで」
伏黒の問いに、ピクリと少し肩が跳ね上がる。
Aは、特訓の前後
虎杖の元に会いに行っていた。
でも、昨日 今日は"虎杖がいない"のだった。
だから当然、虎杖に会いに行けなかった。
虎杖は、一級呪術師の"七海 建人"と共に
とある任務で 神奈川県にいるのだった。
貴方「あー、うん…そう、だね…」
伏黒「…………やっぱり、俺には言えないのか?」
貴方「……ごめんね」
隠していることがあるというのは
苦しいものだとAは改めて突きつけられる。
伏黒のそんな顔見たくないのに、
そんな顔にさせてしまっているのは自分だ……
貴方「ごめんね、恵…」
伏黒「いや。
言えないことがあるのは仕方ないだろ______?」
貴方「でも、ね…いつかちゃんと話すから」
伏黒「……」
貴方「絶対ね、恵 喜ぶと思うんだ」
伏黒「俺が喜ぶ?」
貴方「うん!
…あ、でも最初は怒るかもしれないけど」
伏黒「俺は既に、隠し事されてる時点で
喜びはしないがな」
貴方「うっ……ご、ごめん…」
Aは必死に、何とか
伏黒に辛い顔をさせないために言葉を発する。
その必死なAの姿を見て、
伏黒は思わず気分が良くなった。
______少なくとも、五条に
完全に傾いているわけではないと 思えるから。
伏黒「…いい。俺はいつでも待ってる」
貴方「!」
伏黒「待ってれば、
いつかは 話してくれるんだろ?」
貴方「もちろんだよ!!」
伏黒「…そうか…
でも、まぁ……俺がそれでも納得しなければ、
Aに責任とってもらえばいいか」
貴方「ッ!!?な、に…それ……」
伏黒「……何がだ?」
貴方「……責任とらせるとか…
変なこと言わないでよ」
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年1月6日 0時