83.逃走 ページ33
〜no side 〜
貴方「ッ はぁ はぁ…」
透桜煙「A、大丈夫?」
貴方「う、ん……」
虎杖が真人の領域を破った音を聞いた瞬間、
Aは自分の領域を閉じて 地面に手をついた。
呪力の消費が激しく、息も苦しかった。
貴方「…悠仁たちは…______」
バシュウ
その時、目の前の黒い球体が消えた。
そこには肩から血を流す真人と
それを見る七海と虎杖の背中があった。
貴方「…なに、が…起きてるの…」
透桜煙「……宿儺が干渉したのよ。
地雷を踏んだってとこかしら?
…ほんと、悪魔ね」
虎杖「何が起こったんだ…?」
それは、虎杖たちにも
何が起きたのか、はっきりと
理解は出来ていなかった。
ただ一つ分かったこと。
ボロボロの真人を見て、ひとつの思考だけが
虎杖の中にあった。
______"殺せる"
それは、本能の様に 虎杖の足を動かした。
迫ってくる虎杖を見て、
真人は風船の様に大きく膨らんだ。
その大きな的に 虎杖は拳を振るった。
虎杖「___"逕庭拳"」
パァン
確実に、虎杖の"逕庭拳"はあたった。
けれど、あたった"それ"は風船の様に割れて
とても 手応えが無かった。
虎杖は訳が分からなく、体が硬直する。
一方、七海はある方向に走り出した。
その方向には排水口に潜ろうとする
小さな真人がいた。
真人「バイバぁ〜イ」
虎杖「待て!!」
真人「Aちゃんも、"またね"
楽しかったよ」
貴方「……」
バゴッ
真人のいた"はず"の排水口の網に
七海は剣を振るった。
けれど、網が壊れただけで
そこに真人はいなかった。
七海「チッ」
七海は舌打ちをすると、スマホを手にし
ある人に電話をかけた。
七海「猪野君 本丸が排水口から逃走しました。
…えぇ 私といた地点から東南に向けて
虱潰しにお願いします。今なら君でも祓える」
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年1月6日 0時