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254.笑顔で ページ3

〜no side 〜




アイリスが洗礼教会に向かうため

第8を出て数分が経った。




鎮魂器具の数が多く、荷物持ちとして

洗礼教会には森羅も同行している。









茉希「Aちゃん、大丈夫ですか?」




貴方「!ご、ごめんなさい…」




茉希「あ、あぁ そうじゃないの

ただ、元気ないように見えて…」









事務仕事中、茉希に突然声をかけられる。









アーサー「……」









前の席のアーサーも チラチラと

こちらを気にしているようで

心配をかけてしまって申し訳なく思えた。









貴方「ただ、アイリスが心配で…」




茉希「シスター、ですか?」




アーサー「悪魔と一緒にいるから心配か?」




貴方「え、と…違うけど、

アーサー…そういうこと、サラッと言うね」









確かに、アイリスと出かける森羅は

頬を赤らめてニヤリと笑みを浮かべていた。









貴方「(あれは 恥ずかしがってて

笑っちゃってただけ…うん、そうだよ

やましい気持ちが森羅にあるわけじゃ_____)」




茉希「…確かに、最近 シスター

元気ありませんよね…」




環「…わかる気もするけどな」




貴方「うん…」









おそらく、伝導者の件で

悩んでいることに違いない。









貴方「(…私も シスターの修練を受けてきたけど

アイリスは私と違って、真っ直ぐに

聖陽教を信じてきたんだから…)」









その信じていた聖陽教は 伝導者が作ったもの。




その事実は、あまりにも残酷だ。




アイリスがずっと信じ続け、捧げていた…

それは何なのか、きっとアイリスは見失っている




そう考えると、Aは

バンっと机に手をついて立ち上がった。









貴方「私は、アイリスに言ってあげる言葉も

上手く見つかりませんでした…」









そんなAを、"私も"と 茉希や環は見ていた。

・→←253. 大丈夫ですよ



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作者名:ゆいにゃー | 作成日時:2020年11月9日 1時

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